マッチング・モウル(Matching Mole)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド。
ロバート・ワイアットがソフト・マシーン脱退後に結成した。
来歴
1971年:ロバート・ワイアット、デイヴ・シンクレア、フィル・ミラー、ビル・マコーミックにより結成。
1972年:ワイアット、シンクレア、ミラー、マコーミックで、ファースト・アルバム『そっくりモグラ』録音。
ワイアット、デイヴ・マクレエ、ミラー、マコーミックで、セカンド・アルバム『そっくりモグラの毛語録』録音。その後解散。
1973年:ワイアット、マコーミック、フランシス・モンクマン、ゲイリー・ウィンドによりマッチング・モウル再結成を試みサード・アルバム用のリハーサルを行うが、ワイアットがパーティーの席上で酔ったまま窓から転落、下半身不随となりドラマー生命を絶たれたため頓挫してしまう。その後、ワイアットは周りのミュージシャン仲間の助けにより、シンガー/キーボード・プレイヤーとして再起を果たしている。
特徴
逸話・その他
- 「マッチング・モウル (そっくりモグラ)」というバンド名は、「ソフト・マシーン (Soft Machine)」のフランス語読みである「マシーヌ・モル (Machine Molle)」をもじったもの。
- セカンド・アルバムのプロデュースはキング・クリムゾンのロバート・フリップが行っている。
- 1973年のマッチング・モウル再結成の構想にはヘンリー・カウのフレッド・フリスの名前も挙がっていて、フリスも乗り気であった。
- 2011年10月10日のNHK-FM放送「今日は一日プログレ三昧 再び」にデイヴ・シンクレアが出演した際、バンド名は「マッチング・モウルではなくマシーン・モール」とコメントした。
メンバーと担当楽器
第1期 1971年12月-1972年3月
+
- デイヴ・マクレエ (Dave MacRae) - エレクトリック・ピアノ(ゲスト/1stアルバム)
アルバム『そっくりモグラ』録音。
マクレエ入りの5人でライブ『オン・ザ・レディオ』収録の2曲録音。
第2期 1972年3月-10月
- ロバート・ワイアット (Robert Wyatt) - ドラム、ボーカル
- デイヴ・マクレエ (Dave MacRae) - エレクトリック・ピアノ、オルガン、シンセサイザー
- フィル・ミラー (Phil Miller) - ギター
- ビル・マコーミック (Bill MacCormick) - ベース
+
- ブライアン・イーノ (Brian Eno) - VCS3シンセサイザー (ゲスト/2ndアルバム)
- デヴィッド・ゲイル (David Gale) - ボイス (ゲスト/2ndアルバム)
- ジュリー・クリスティ (Julie Christie) - ボイス (ゲスト/2ndアルバム)
- アルフリーダ・ベンジ (Alfreda Benge) - ボイス (ゲスト/2ndアルバム)
アルバム『そっくりモグラの毛語録』録音。
ライブ『ライヴ・イン・コンサート』、『まっすぐモグラ』、『マーチ』、『オン・ザ・レディオ』収録音源録音。
第3期 1973年5月-6月
サード・アルバム用のリハーサルを行っていた。
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
- 『そっくりモグラ』 - Matching Mole (1972年)
- 『そっくりモグラの毛語録』 - Matching Mole's Little Red Record (1972年)
ライブ・アルバム
- 『ライヴ・イン・コンサート』 - BBC Radio 1 Live In Concert (1994年 第2期) ※『そっくりモグラの毛語録<エクスパンデッド・エディション>』 (2012年)に全曲収録
- 『まっすぐモグラ』 - Smoke Signals (2001年 第2期)
- 『マーチ』 - March (2002年 第2期)
- 『オン・ザ・レディオ』 - On The Radio (2006年 第1期-第2期)
オムニバス
- ロバート・ワイアット: 『フロッサム・アンド・ジッサム』 - Flotsam Jetsam (1994年 「No 'Alf Measures」を収録 第2期)
- ロバート・ワイアット: Going Back A Bit : A Little History Of Robert Wyatt (1994年 「O Caroline」、「Gloria Groom」、「God Song」を収録 第1期-第2期)
その他
- ロバート・ワイアット: 『ロック・ボトム』 - Rock Bottom (1974年)
- マッチング・モウルのサードアルバム用に用意されていた楽曲を収録している。
関連項目