第6代アバディーン伯爵 ジョージ・ハミルトン=ゴードン (英語 : George Hamilton-Gordon, 6th Earl of Aberdeen 、1841年 12月10日 – 1870年 1月27日 )は、イギリス の貴族。1860年から1864年までハッドー卿 の儀礼称号 を使用した。
生涯
第5代アバディーン伯爵ジョージ・ハミルトン=ゴードン と妻メアリー(Mary 、1815年ごろ – 1900年4月3日、旧姓ベイリー(Baillie )、ジョージ・ベイリーの娘)の長男として、1841年12月10日にエディンバラ のホリールード (英語版 ) で生まれた。
1864年3月22日に父が死去すると、アバディーン伯爵 位を継承、同年7月25日に貴族院 議員に就任した。父が死去したとき、ハッドー卿はニューブランズウィック州副総督 で叔父にあたるアーサー・ハミルトン=ゴードン閣下 (英語版 ) を訪れており、父の死去の報せを聞くとすぐに帰国した。スコットランドには1年半ほど滞在し、領地管理や義勇兵運動(Volunteer movement )に積極的に取り組んだ。
1866年1月にポモナ号(Pomona )に乗ってリヴァプール からニューブランズウィック に向かい、4月に叔父を再び訪れた後、第4代ゴスフォード伯爵アーチボルド・アチソン (英語版 ) とグラント・ピーターキン(Grant Peterkin )とともにアメリカを旅し、5月にボストン に着いた。
ボストンに到着した以降はジョージ・H・オズボーン(George H. Osborne )の仮名を名乗り、1866年夏にはボストンからカナリー諸島 に向かった。同年10月にボストンに戻った後、海員としてホノルル 行きの宣教団の船に乗ろうとしたが、経験を証明できないとして拒否された。これによりアバディーン伯爵は冬をボストンで過ごし、海員学校と商業学校に通った。卒業後にニューヨーク で船員の試験を受け、経験不足によりmaster の試験は受験できなかったが、master's mate の試験を満点に近い点数で合格、翌年にはmasterの試験にも合格した。1867年3月に船員として商船に乗り、アラバマ州 モービル に向かったがそこで指の怪我を負い、一旦ニューオーリンズ に戻った。同年4月28日より再び乗船してメキシコ のベラクルス に向かったが、フランス のメキシコ出兵 により船がベラクルスに抑留され、8月にようやくニューヨークに戻った。次にトリニダード島 に向かい、帰路にタークス諸島 にも立ち寄った。1868年にはメイン州 リッチモンド (英語版 ) に住居を構え、以降航海から戻ってきたときは常にリッチモンドに戻るようになった。その後は航海でテキサス州 ガルベストン やフロリダ州 ペンサコーラ に立ち寄った。
1870年1月初、ボストンでメルボルン 行きのヘラ号(Hera )のケント船長(Kent )に出会い、14日に船員クルーに加入した。ヘラ号は22日に出港した。そして、27日の午前4時から8時まで、アバディーン伯爵が操船の当番を務めることになり、ちょうど伯爵が帆を下ろそうとしたときに船が大きく揺れ、伯爵がダウンホール (英語版 ) の輪にはまってしまった後に海に投げ出された。船員たちはすぐさまに伯爵に向かってロープを投げたり、救命ボート を準備したりしたが、伯爵がロープにつかまれず、救命ボートも間に合わなかったことで伯爵はそのまま行方不明になり、溺死したとされる。
本国では伯爵からの手紙が長らく届いていないこともあり、すでに1869年11月には家族が聖職者のW・B・アレクサンダー(W. B. Alexander )に捜索を依頼していた。1870年8月中旬になってようやく伯爵死去の報せがメルボルンからアレクサンダーに届き、アレクサンダーは翌日にすぐに発ち、伯爵の家族に報せを届けた。伯爵は生涯未婚であり、貴族院で伯爵の死が証明された後は弟ジョン が爵位を継承した。
出典
参考文献
Aberdeen, 5th Earl of (1873). Elliott, Edward Bishop (ed.). Memoir of Lord Haddo, in his Latter Years (英語) (6th ed.). London: Seeley, Jackson and Halliday.
Cokayne, George Edward ; Gibbs, Vicary , eds. (1910). Complete peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (Ab-Adam to Basing) (英語). Vol. 1 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press, Ltd. p. 15.
Paul, James Balfour, Sir , ed. (1904). The Scots Peerage (英語). Vol. I. Edinburgh: David Douglas.
外部リンク