シャイラ[1][注 1] (596 Scheila) は、小惑星帯に位置する小惑星である。
概要
1906年2月21日に、ハイデルベルクのケーニッヒシュトゥール天文台で、アウグスト・コプフによって発見された[3]。コプフの友人でハイデルベルク大学の学生だった、イギリス人女性にちなんで命名された。
小天体の衝突
2010年12月11日、カタリナ・スカイサーベイのスティーヴ・ラーソンにより、シャイラがアウトバーストを起こして彗星状になっているのが発見され、2011年2月ごろまで観測できた。その後、ハッブル宇宙望遠鏡とスウィフト宇宙望遠鏡の観測により、シャイラのダストからは彗星特有の成分(水酸基やシアンなど)は検出されなかった。画像の分析から、小天体が30度以下の非常に低い角度でシャイラに衝突し、クレーターを形成したと考えられている。その後、むりかぶし望遠鏡とすばる望遠鏡の観測により、2010年12月2日の21時から3日19時(日本時間)の間に20-50mの小天体がシャイラの後方(公転方向の反対側)から衝突し、その際に噴出した直径0.1-100μmの数10万トンものダスト噴出物により、3つの尾が形成されたことが判明した。この時に形成されたクレーターの規模は、500-800mと推定されている。
脚注
注釈
- ^ ドイツ語では「シャイラ」と発音されるが、固有名の由来となったイギリス人女性の名前は英語ではシーラと読まれる[2]。
出典
- ^ “全世界の観測成果 ver.2” (Excel). 薩摩川内市せんだい宇宙館 (2018年3月3日). 2019年3月11日閲覧。
- ^ “小惑星同士の衝突で生じた奇妙なチリ雲”. 国立天文台. 2011年11月5日閲覧。
- ^ “596 Scheila”. Small-Body Database Browser. ジェット推進研究所 (2003年8月29日). 2015年1月16日閲覧。
関連項目
外部リンク