クリストファー・ミース(Christopher Mies, 1989年5月24日 - )は、ドイツ・フェルバート出身のレーシングドライバー。2009年からアウディスポーツ・カスタマーレーシングのファクトリードライバーとしてGT3レースを中心に活動している。
経歴
ミースは2001年にカートを始め、2006年のトヨタ・ヤリスカップ・ドイツで四輪レースにデビューを果たした。翌年にライパート・モータースポーツからフォード・フィエスタ・カップに参戦し、2勝を挙げてランキング5位となった。2008年には同チームからADAC プロカー・シリーズに参戦し、14戦中12回の表彰台を獲得してディビジョン2のタイトルを獲得した。このタイトルはミースにとって初めてのものであり、プロのレーシングドライバーとしてキャリアを積む契機になった。
グランドツーリング
2008年にミースはADAC GTマスターズのニュルブルクリンク戦に、ヨルグ・ファン・オーメンが運営するレーシングチームから参加し、GTレースのキャリアを開始した。
翌年はFIA GT3ヨーロッパ選手権にアウディ・R8 LMSを運用するフェニックス・レーシングから参戦した。コンビを組んだクリストファー・ハーゼと共にシーズンに3勝を挙げてチャンピオンを獲得した。ポールリカールのレース1では大クラッシュに巻き込まれ、翌日のレースを欠場した。この年の活躍がミースとアウディの関係の端緒となった。
2014年のセブリング12時間レースにて。
2010年にアプト・スポーツラインからADAC GTマスターズに参戦し、ランキング2位となった。2012年のブランパン耐久シリーズでは、ハーゼとステファン・オルテリと共にポールリカールでの1勝に加え、他のレースでも安定した成績を残し、ライバルであるBMWのマルクVDS3号車を抑えてこの年のタイトルを獲得している[1]。
2011年にはダリル・オーヤン、マルク・バッセンと共にバサースト12時間レースに参戦し、僚友の8号車を0.7秒の僅差で破って同レースを初制覇した[2]。翌年はバッセンに代わり、新たなチームメイトとしてクリストファー・ヨンスを迎えたが、レインコンディションとなったレースでオーヤンと共に二連覇を達成した[3]。
2015年から16年にかけ、ミースはジャメック・ペム・レーシングからオーストラリアGT選手権に参戦した。ミースはシーズンに3勝を挙げ、初年度ながらタイトルを獲得した。オーストラリア人以外がタイトルを王者に輝くのは2007年のアラン・シモンセン以来であった[4]。翌年もディフェンディングチャンピオンとして同選手権に参戦を続けた。また、2015年にはローレンス・ヴァントール、ニコ・ミュラー、エドワード・サンドストロームと最終周まで続いたBMW25号車との戦いを制して、ニュルブルクリンク24時間レースで初優勝を飾っている[5]。
2016年、ミースはランド・モータースポーツから3年ぶりにGTマスターズに復帰し、若手のコナー・デ・フィリッピとのコンビでタイトルを獲得した[6]。ブランパンGTシリーズ・スプリントカップではエンツォ・イデと車を共有し、GTマスターズとの日程衝突のために最終戦を欠場したものの、イデのタイトル獲得に貢献した。
2017年にはニュルブルクリンク24時間レースで2度目の勝利を達成した。ミースが乗車したランド・モータースポーツの29号車はレースの大半をリードしながらも残り1時間を残してトラブルで首位から後退したが、最終ピット時にレインタイヤを履くギャンブルが最終盤で雨が強まったことで成功し、最終ラップで9号車アウディを交わしてトップに返り咲く劇的なものであった[7]。
スポーツカー
ミースは2021年のデイトナ24時間レースにドラゴンスピードから参戦した。ミースにとってこれが初のプロトタイプでのレースであった[8]。レースではLMP2クラスの3位表彰台を獲得した。
レース戦績
ADAC GTマスターズ
FIA GT3ヨーロッパ選手権
ブランパン耐久シリーズ/GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・耐久カップ
ブランパン・スプリントシリーズ/プランパンGTシリーズ・スプリントカップ
インターコンチネンタルGTチャレンジ
スパ・フランコルシャン24時間レース
ニュルブルクリンク24時間レース
バサースト12時間レース
脚注
外部リンク