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ウグイス科

ウグイス科
木の上で「ホーホケキョ」とさえずるウグイスのオス(2014年3月22日撮影)
ウグイス Horornis diphone cantans
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
上科 : ウグイス上科 Sylvioidea
: ウグイス科 Cettiidae
学名
Cettiidae Alström, Ericson, Olsson & Sundberg, 2006
タイプ属
Cettia Bonaparte[1]1834
英名
Cettid Warblers
Cettid Bush Warblers

ウグイス科(ウグイスか、学名Cettiidae)はウグイス上科の1である。

アフリカユーラシア太平洋諸島に生息する。

系統と分類

系統樹

ウグイス科内は Alström et al. (2011a)[2]、ウグイス科外は Johansson et al. (2008)[3]; Alström et al. (2011b)[4]; Irestedt et al. (2011)[5]より。「clade I」は Johansson et al. による、ウグイス上科を分類した仮の系統名である。

clade I
ウグイス科

マミジロムシクイ属 Abroscopus

キバラサイホウチョウ属 Phyllergates

ズアカムシクイ Tickellia

ウグイス属 Horornis

コビトサザイ属 Tesia

ヨーロッパウグイス属 Cettia

ヤブサメ属 Urosphena

スナチムシクイ Scotocerca

ヒメヒタキ属 Erythrocercus

エナガ科 Aegithalidae

コバシミドリムシクイ Hylia

? カラハタオリ Pholidornis

メボソムシクイ科 Phylloscopidae

アカガシラチメドリ科チメドリ科ガビチョウ科ダルマエナガ科メジロ科

上位系統

ウグイス科はウグイス上科 (Sylvioidea) に含まれ、エナガ科メボソムシクイ科に近縁である。

ウグイス科 Cettiidae はかつては大きなウグイス科 Sylviidae(あるいはヒタキ科ウグイス亜科 Sylviinae)に含まれていた。しかしこの大きなウグイス科は多系統であり、いくつかもの単系統の科に分割された。

現在のウグイス科 CettiidaeAlström (2006) により近縁と判明した属のために設けられた新しい科である。

かつては、現在はウグイス科には含まれないいくつかの属が含まれていた[6]。これらは現在は所属未定 incertae sedis とされている[7]

下位系統

かつてはウグイスHoreites 属に、ヨーロッパウグイス単型Cettia 属に分類されていた。一時、これらの他のいくつかの属と共にウグイス属 Cettia に統合されていた。統合された属にはこれらのほか、 Vitia 属などや、また説によってはヤブサメ属 Urosphena も含まれた。

しかし、ウグイスとヨーロッパウグイスは別系統と判明し[9][10][2]、ウグイスなど大半の種が、タイワンコウグイス Horornis fortipes模式種とする Horornis 属として分離された。また、ヤブサメ属 Urosphena も分離することが確定した。

コビトサザイモドキ Hemitesia の系統位置には論争があったが、ウグイス科内に位置することが確認された[5][2]。コビトサザイモドキはキアシヤブサメ Cettia pallidipes の姉妹群であり[2]、合わせてヤブサメ属 Urosphena に含められた。

属と種

国際鳥類学会議 (IOC)[7]より。和名は厚生労働省[11]などより。11属39種。

かつての分類体系

以下の対照表では、ごく一部の属のみが関係する科を省略している。

伝統分類 Sibley & Ahlquist 現在の分類
ウグイス科 Sylviidae セッカ科 Cisticolidae セッカ科 Cisticolidae




ヨシキリ亜科 Acrocephalinae
ムシクイヒタキ科 Hyliotidae





ウグイス科 Cettiidae
メボソムシクイ科 Phylloscopidae
ヨシキリ科 Acrocephalidae
オオセッカ科 Megaluridae
オオセッカ亜科 Megalurinae
チメドリ亜科
Sylviinae
ズグロムシクイ族 Sylviini ダルマエナガ科 Sylviidae
ミソサザイモドキ族 Chamaeini
ダルマエナガ科 Paradoxornithidae チメドリ族 Timaliini
チメドリ科 Timaliidae ヒメサザイチメドリ科 Pnoepygidae
チメドリ科 Timaliidae
ガビチョウ亜科 Garrulacinae

Sibley & Ahlquist のウグイス科は、それ以前のウグイス科とチメドリ科(およびチメドリ科から分離させることがあったダルマエナガ科)を合わせた群である。彼らはこれを単系統だと考えたが、実際の系統ではウグイス上科の各所に分散した多系統であり、現在の系統分類では多くの科に分割される。

Sibley & Ahlquist のウグイス科は4亜科に分かれ、そのうちチメドリ亜科は3族に分かれていた。おおよそ、ヨシキリ亜科が従来のウグイス科、チメドリ亜科が従来のチメドリ科に相当する。さらに彼らはオオセッカ亜科とガビチョウ亜科を独立させたが、現在から見ればこの措置は系統的ではない。一方、従来はウグイス科だったズグロムシクイ属がチメドリ類と同じチメドリ亜科に含まれる点は、以前より系統を反映していた。

現在は科未定となっている種には、次のようなものがある[7]

出典

  1. ^ シャルル・リュシアン・ボナパルト or en:José Bonaparte
  2. ^ a b c d Alström, P.; Höhna, S.; Gelang, M.; Ericson, P.G.P.; Olsson, U. (2011), “Non-monophyly and intricate morphological evolution within the avian family Cettiidae revealed by multilocus analysis of a taxonomically densely sampled dataset”, BMC Evol. Biol. 11 (353), doi:10.1186/1471-2148-11-352, http://www.biomedcentral.com/1471-2148/11/352 
  3. ^ a b c Johansson, U.S.; Fjeldså, J.; Bowie, Rauri C.K. (2008), “Phylogenetic relationships within Passerida (Aves: Passeriformes): A review and a new molecular phylogeny based on three nuclear intron markers”, Mol. Phylogenet. Evol. 48: 858–876, http://www.nrm.se/download/18.7d9d550411abf68c801800015111/Johansson+et+al+Passerida+2008.pdf 
  4. ^ a b c d Alström, P.; Fjeldså, J.; Fregin, S.; Olsson, U. (2011), “Gross morphology betrays phylogeny: the Scrub Warbler Scotocerca inquieta is not a cisticolid”, Ibis 153: 87–97, http://onlinelibrary.wiley.com/store/10.1111/j.1474-919X.2010.01093.x/asset/j.1474-919X.2010.01093.x.pdf 
  5. ^ a b c Irestedt, M.; Gelang, M.; Sangster, G.; Olsson, U.; Ericson, P.G.P.; Alström, P. (2011), “Neumann's Warbler Hemitesia neumanni (Sylvioidea): the sole African member of a Palaeotropic Miocene avifauna”, Ibis 153: 78–86, http://www.nrm.se/download/18.42129f1312d951207af80005795/Irestedt+et+al+Hemitesia.pdf 
  6. ^ Gill, F.; Donsker, D., eds. (2009), “Sugarbirds, starlings, thrushes”, IOC World Bird Names, version 2.0 
  7. ^ a b c d Gill, F.; Donsker, D., eds. (2012), “Sugarbirds, starlings, thrushes”, IOC World Bird Names, version 2.11, http://www.worldbirdnames.org/n-sugarbirds.html 
  8. ^ Barhoum, D.N.; Burns, K.J. (2002), “Phylogenetic Relationships of the Wrentit Based on Mitochondrial Cytochrome b Sequences”, Condor 104 (740–749) 
  9. ^ Drovetski, S.V.; Zink, R.M.; Fadeev, I.V.; Nesterov, E.V.; Koblik, E.A.; Red’kin, Y.A.; Rohwer, S. (2004), “Mitochondrial phylogeny of Locustella and related genera”, J. Avian Biol. 35: 105–110, http://hosting.uaa.alaska.edu/afsvd/SVDpublications/2004%20Drovetski%20et%20al%20JAB.pdf 
  10. ^ Alström, P.; Ericson, P.G.P.; Olsson, U.; Sundberg, P. (2006), “Phylogeny and classifcation of the avian superfamily Sylvioidea”, Mol. Phylogenet. Evol. 38: 381–397, http://www.nrm.se/download/18.4e1d3ca810c24ddc70380001143/Alstr%C3%B6m+et+al+Sylvioidea+MPEV+2006.pdf 
  11. ^ 厚生労働省 動物の輸入届出制度 届出対象動物の種類名リスト 鳥類一覧

外部リンク

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