アラワクの村(19世紀半ばの記事から)
アラワク族の女性J.G.ステッドマン の著書から
アラワク族 (アラワクぞく、Arawak)は、南米 ボリビア の北西部やペルー のモンクーナヤ地方、スリナム とガイアナ およびアマゾン 下流域などに定住するアメリカ先住民族 。アラワク語 を話す。
歴史
かつては南米 からカヌー でカリブ海 の島々に渡り住んでいた。スペイン人が新大陸侵攻を始める前は、カシーケ と言われる首長を頂点に、近隣の部族との戦争でとらえられた捕虜を奴隷 として使う成層社会を形成していた。
スペイン 人による新大陸侵入以来、アラワク族は急激にその数を減じていった。特に、西インド諸島 に定住していたアラワク族は、敵対していたカリブ族 やヨーロッパ 人の侵攻などにより、民族としての滅亡への道を辿る。小アンティル諸島 に定住していたアラワク族は、まず、同じ南米から来たカリブ族に追いやられた。そして、西インド諸島の島々がヨーロッパ人により次々と征服されると、キューバ やジャマイカ やイスパニョーラ島 など大アンティル諸島 の島々に定住していたアラワク族は強制労働を強いられた。追い討ちをかけるように、ヨーロッパ人が持ち込んだ病気 により、免疫 力が殆ど無いアラワク族は激減して行った。その結果、現在では、西インド諸島では民族としてのアラワク族は存在しない。
現在は小さな集落にかたまって暮らし、一般に共通の言語や共通の習慣・婚姻関係によって結ばれた親族関係によって辛うじて統合されている。主に狩猟 や食物採集に従事していて、また、樹皮製カヌー で漁労を行う。開けた平原や乾燥した台地においては、マニオク 、トウモロコシ 、ワタ を中心とした原始的農耕を行っている。
このように一部の中南米の地域のみにおいて、アラワク族は細々と生き延びている。
関連文献
国本伊代 編『カリブ海世界を知るための70章』明石書店、2017年。
アーヴィング・ラウス (英語版 ) 著、杉野目康子 訳『タイノ人―コロンブスが出会ったカリブの民』法政大学出版局〈叢書ウニベルシタス〉、2004年。 (原書 Rouse, Irving (1992), The Tainos: Rise and Decline of the People Who Greeted Columbus (英語), Yale University Press )
外部リンク
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