へびつかい座ν星 (へびつかいざニューせい、Nu Ophiuchus) は、へびつかい座にある恒星で3等星。
物理的性質
へびつかい座ν星は、黄色の巨星である[1]。表面温度は低く、4928K[5]であるが、これはK型主系列星とほぼ同じ温度である。しかし巨星であるため、光度は太陽の123倍明るい[5]。また、赤緯方向に116ミリ秒/年という大きな固有運動をもつ[1]。
名称
へびつかい座ν星は、シンストラ (Sinistra) という固有名を持つ。
伴星
へびつかい座ν星には、2個の褐色矮星を伴星として伴っている[2][6][8][9]。2004年にへびつかい座ν星b、2010年にへびつかい座ν星cが発見された[6][8][9]。下限質量はbが木星の21.9倍、cが木星の24.5倍である[7]。観測によって、bは約1.5年、cは約8.7年で公転することがわかっており、およそ1:6の軌道共鳴をしている可能性がある[2][6]。褐色矮星の誕生には、恒星のように分子雲の中心部が自らの重力によって収縮するか、もしくは惑星のように回転する原始惑星系円盤の中で生じるという2つの理論があるが、公転周期の軌道共鳴は、後者の説を強く支持するものである[2]。公転半径はbが火星軌道の外側、cが木星軌道の外側である[6]。また、離心率は0.13[8]と0.18[9]と、ゆがんだ楕円軌道である。
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
- ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y “SIMBAD Astronomical Database”. Results for nu. Oph. 2015年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 巨星を回る新たな惑星系の発見 国立天文台 岡山天体物理観測所
- ^ a b c d e f Validation of the new Hipparcos reduction arXiv
- ^ a b Rotational and Radial Velocities for a Sample of 761 HIPPARCOS Giants and the Role of Binarity IOPscience
- ^ a b c d e f g h Stellar Parameters and Elemental Abundances of Late-G Giants arXiv
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o List of Brown Dwarfs Johnston's Archive
- ^ a b c d e f Four Substellar Companions Found Around K Giant Stars NASA ADS
- ^ a b c d e f g h Planet nu Oph b The Extrasolar Planets Encyclopaedia
- ^ a b c d e f g h nu Oph c The Extrasolar Planets Encyclopaedia
関連項目
座標: 17h 59m 01.59191s, −09° 46′ 25.0798″