VJE(ヴイジェイイー)は、バックス(VACS)が開発したかな漢字変換ソフトウェア(日本語入力システム)。VJEの名称は、「VACS Japanese Entry system」の頭文字から取ったものである[1]。
概要
当初より特定のアプリケーションに依存せず、独立した日本語入力プログラムとして開発された。
MS-DOS環境では、当初OSベンダーがMS-DOSに添付した能力の低い日本語入力システムか、アプリケーション内蔵か、一体でしか使用出来ない日本語入力システムが幅をきかせており、アプリケーションを選ばず日本語入力の出来るVJEはパーソナルコンピュータを高度に使用するユーザの強い支持を得た。
当時の文献では、動作が比較的軽い、半角かなからの漢字変換ができ、日英混在する文章を書く時に有利であるなどと評されている[1]。
MS-DOSの時代からWindowsの時代に移行するにあたり、VJEのWindowsへの実装が遅れ、まともに動くVJE-Deltaが出るころにはOSに標準で付属するMS-IMEもあるレベルの精度に達し、一般ユーザが日本語入力システムを自ら選ぶということは少なくなった。
これに伴い、バックスはVJEの一般向け販売を2005年7月に終了した。
2008年にはYahoo!デベロッパーネットワークならびにYahoo!ノートパッドにVJEが提供された[2]。
歴史
- VJE-86 (1984年) - 1文節最長一致
- VJE-II (1985年) - ローマ字入力
- VJE-α (1985年)
- VJE-Σ - αをアスキーで販売したもの
- VJE-β (1986年) - アスキーと共同開発 2文節最長一致 連文節変換 逐次自動変換 EMS
- 1.2 (1987年) - スペースキーでの変換に対応
- 2.0 (1989年)
- 3.0 (1991年)
- VJE-γ (1991年) - Windows 3.0対応、3文節最長一致
- VJE-γ - NeXTSTEP対応。 ワープロソフト「VJE-Pen Super」にバンドルされていた。
- VJE-Delta (1994年) - AI変換。Windows 3.1対応
- 2.0 (1995年) - 32bit UNICODE/XKP 入力補正
- 2.5 (1997年) - 住所入力アクセサリ
- 4.0 (2001年)
- MacVJE - ダイナウェア製。エンジン部のみVACS
- MacVJE-β
- MacVJE-γ
- MacVJE-Delta 1.0 (1996年)ダイナウェア
- VJE-Delta 2.5 for Linux/FreeBSD (1998年)[3]
- Compact-VJE (2001年) - 携帯電話(主に京セラ製ツーカー向け端末)、PDA
- 1.0 for Palm (2002年) - Palm OS 4.0J対応。ダウンロード販売
- 3.0 (2002年) - OEM販売のみ
- 4.0 (2004年) - OEM販売のみ
脚注
参考文献