『VIVA!ロキシー・ミュージック (ザ・ライヴ・ロキシー・ミュージック・アルバム)』[注釈 1](Viva!)は、ロキシー・ミュージック初のライブ・アルバム。通算6作目に相当し、解散発表と相前後して1976年夏に発表された。
解説
経緯
ロキシー・ミュージックは1975年10月にアルバム『サイレン』を発表し、同月、イギリス・ツアーを行なった[注釈 2]、11月から翌1976年3月までアメリカ・ツアーを行ない[注釈 3]、1976年6月末に解散を発表した。
解散に際して2枚組ライブ・アルバムの発表が企画され、メンバーは、1973年10月から1975年10月までの間に行なわれたツアーで得られた39曲の127の異なる録音を聴いた。結局、8曲を収録した1枚組アルバムが、クリス・トーマスをプロデュ―サーに迎えて制作された。
内容
収録された音源は、1973年11月のグラスゴー公演、1974年10月のニューカッスル・アポン・タイン公演、1975年10月のロンドン公演から選ばれた。
8曲の収録曲のうち、5曲は1974年10月27日と28日のニューカッスル公演で録音された。この公演はアルバム『カントリー・ライフ』(1974年)の発表に伴なって行なわれた国内ツアーのもので、アルバムの裏ジャケットには、ツアーに準メンバーとして参加したジョン・ウェットン[注釈 4](ベース)の名前が正式メンバーと並んで表記されている。
残り3曲のうち、2曲は1973年11月2日のグラスゴー公演、1曲は1975年10月17日または18日のロンドン公演で録音された。グラスゴー公演はアルバム『ストランデッド』(1973年)、ロンドン公演は『サイレン』の為のツアーのものだった。これらのツアーでは、それぞれサル・メイダ[注釈 5]とジョン・ガスタフソン[注釈 6]が準メンバーとしてベースを担当した[注釈 7]。
8曲の収録曲のうち、6曲はブライアン・イーノが在籍した時期の楽曲である[注釈 8]。
ジャケットの写真はウェンブリー・エンパイアプールで行なわれた1975年10月17日または18日のロンドン公演の映像で、女性は当日コーラスを担当したザ・サイレンズである。
収録曲
「アウト・オブ・ザ・ブルー」を除き、全曲ブライアン・フェリー作。
- 「アウト・オブ・ザ・ブルー」 - "Out of the Blue" (フェリー、フィル・マンザネラ) 4:44
- 「パジャマラマ」 - "Pyjamarama" 3:36
- 「ザ・ボーガス・マン」 - "The Bogus Man" 7:05
- 「チャンス・ミーティング」 - "Chance Meeting" 2:58
- 「ボス・エンズ・バーニング」 - "Both Ends Burning" 4:46
- 「イフ・ゼア・イズ・サムシング」 - "If There Is Something" 10:37
- 「イン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク」 - "In Every Dream Home a Heartache" 8:23
- 「ドゥ・ザ・ストランド」 - "Do the Strand" 4:00
※録音年月日と場所
参加メンバー
ロキシー・ミュージック
アディショナル・ミュージシャン
脚注
注釈
- ^ 初期の邦題は『ビバ!ロキシー・ミュージック』だった。
- ^ イギリス・ツアーは、加藤和彦、高橋幸宏らを擁するサディスティック・ミカ・バンドが前座を務めた。
- ^ 1978年1月に一週間のスカンジナビア公演を行なった。
- ^ 在籍していたキング・クリムゾンが1974年に解散したので、同じEGレコードに所属するロキシー・ミュージックのツアーに準メンバーとして参加した。
- ^ ブライアン・イーノ在籍中、セカンド・アルバム『フォー・ユア・プレジャー』の制作後に行なわれた1973年春のイギリス・ツアーとヨーロッパ・ツアーに、準メンバーとして初めて参加した。そして、アルバム『ストランデッド』の制作発表後の同年秋のイギリス・ツアーに再び参加した。
- ^ 『ストランデッド』、『カントリー・ライフ』、『サイレン』の制作に準メンバーとしてとした。
- ^ ガスタフソンは10月末にイギリス・ツアーが終わると離脱したので、リック・ウィルスが後を引き継いで、11月からのアメリカ・ツアーに準メンバーとして参加した。
- ^ デビュー・アルバム『ロキシー・ミュージック』(1972年)から2曲、セカンド・アルバム『フォー・ユア・プレジャー』(1973年)から3曲、セカンド・シングル曲の計6曲。
- ^ a b c 契約上は、準メンバーだった。
- ^ 解散前の最後のツアーになった、1975年11月から1976年3月までのアメリカ・ツアーに準メンバーとして参加した。1976年1月に合間を縫って行なわれたスカンジナビア公演にも参加した。
- ^ 2人の名前はジャケットには無記名。
出典
引用文献
- Buckley, David (2004). The Thrill of It All: The Story of Bryan Ferry & Roxy Music. London: Andre Deutsch. ISBN 0-233-05113-9
外部リンク