『V.マドンナ大戦争』(ブイ・マドンナだいせんそう)は、松竹富士/ジョイパックフィルム/キャニオンレコード/三船プロダクションの共同制作による日本映画。主演は宇沙美ゆかり。1985年7月13日一般公開。
解説
他校の番長連合に生徒会費を強奪され続けている高校の生徒会長が、7名の女性を用心棒に雇う。『七人の侍』をモチーフにしていることを意識した台詞がある。
当時としては(特に10代の少年・少女が主役の映画としては)多額の制作費をかけた派手なアクションシーンが特徴である。したがって、映画のジャンルとしてはアクション映画であるが、学園を舞台とした青春映画の要素も併せ持っている。
キャッチフレーズは、「男たちよ、宣戦布告!」および「GO FOR BREAK!」
コミカライズ
1985年12月23日 白泉社から魔夜峰央作画で『V・マドンナ』題でコミカライズされたが、映画とは内容が若干違っている。
キャスト
※【】内は用心棒としての役割・得意技を表すニックネームである
スタッフ
ストーリー
希望ヶ丘高等学校は、柳生高校番長連合(別名:柳生軍団)による度重なる生徒会費の強奪に悩まされていた。石岡英(生徒会長)は、生徒会と所属するクラブとの会議[1]でもそのことについて非難を受けるが、妹・石岡里未の助言もあり、用心棒を雇い番長連合と戦う決断をする。里未が用心棒として紹介したのは、モトクロスバイクのライダー阿川冴香である。冴香が、用心棒の他のメンバー4人(スタントのジャック、レスラーのカクダン、爆破のゴゼン、カミソリのマキ)を人選し、英に紹介する。すべて女性であるが、それぞれ得意技もあり、頼りになりそうであると英は確信する。里未と、名古屋からの転校生・若原小町を加え、7人のメンバーがそろった。D-DAY(柳生高校番長連合が予告した日)に備えるための計画が作成され、生徒たちの団結の下に準備は着々と進む。ここで、冴香は「自分たちはマドンナ」と宣言する。
いよいよD-DAY当日。柳生軍団側の攻撃は、希望ヶ丘高等学校側の予想を下回り、柳生軍団はあっけなく退散する。英を含めた生徒側はもちろん、マドンナたちも喜んでいるが、冴香は監視カメラの映像の中から、「豹の目」と呼ばれる女の存在を見つけ、1年前の出来事を思い出す。それは、暴走族のリーダーである「豹の目」に逆らい、凄惨な報復を受けたことである。実際、マドンナたちは次々と柳生軍団からの報復を受ける。コマチ、カクダン、ジャック、ゴゼンは重傷、マキは行方不明になる。
製作
脚本の野沢尚は、ヒロインには安田成美を希望し、面接も行われたが実現しなかった[2]
作品の評価
野沢尚は著書で「夏休みロードショーで大コケ。三船プロは大赤字を抱えて倒産寸前まで追い込まれ、主演女優は引退して沖縄に帰り、奥山和由プロデューサーは会社側の批判に晒された。自身も映画の仕事は二年後になり、監督の中村幻児は7年間の辛抱を強いられた」などと述べている[2]。
テレビ放送
脚注
- ^ 公式なパンフレットなどでは生徒総会とされているが、出席人数から考えて総会には見えない
- ^ a b 野沢尚『映画館に、日本映画があった頃』キネマ旬報社、1995年、110–116頁。ISBN 9784873761213。
外部リンク