System Center Operations Manager(SCOM) はマイクロソフトによるWindowsシステムを対象とした性能およびイベント監視製品である。従来は Microsoft Operations Manager(MOM) と称していた。
ネットワークで接続された複数のコンピュータを監視できる。Active Directory、Microsoft SQL Server、Microsoft Exchange Server といった Microsoft Server 製品や SCOM 自身を SCOM で監視可能である。イギリスの企業 Serverware Group plc が開発した SeNTry ELM というネットワーク管理システムがベースとなっている[1]。1998年6月、その知的財産権が Mission Critical Software, inc. に買い取られ[1]、同社がNetIQ と合併し[2]、その後 Attachmate に買収された。
基本概念
基本的な考え方は、「エージェント」と呼ばれる小さなソフトウェアを監視対象のコンピュータ上に置く。エージェントはコンピュータをいくつかの観点で監視する。例えば、Windows Event Log を通して、そのコンピュータ上のアプリケーションが発生する警報やイベントを監視する。警報を検出すると、エージェントはそれを SCOM サーバにフォワードする。SCOM サーバにはデータベースが付属しており、警報の履歴がそこに格納されている。SCOM サーバは受け取った警報にフィルタリング規則を適用し、その規則に従って人間に通知したり(電子メール、ポケットベルなど)、警報の原因解決のための何らかのワークフローを起動したりする。
SCOM では、特定の監視対象アプリケーション向けのフィルタリング規則群を management pack と呼ぶ。マイクロソフトや他のソフトウェアベンダーが各製品についての management pack を提供するが、SCOM にはユーザーがそれを編集したり新たに作成できる機能もある。エージェントのインストール、監視対象コンピュータの設定、management pack 作成にはアドミニストレータ権限が必要だが、警報履歴は一般ユーザーでも参照可能である。
複数の SCOM サーバを連携させ、Windows ドメインやネットワーク境界を越えて監視することもできる。Webサービスを利用して、他のネットワーク管理アプリケーションと警報情報をやり取りすることもできる。
コマンドシェル
Operations Manager 2007 では、新たにコマンドシェルと呼ばれるコマンドラインインタフェースが導入された。Windows PowerShellをカスタマイズしたもので、Operations Manager のデータにアクセスし、操作することができる[3]。Windows PowerShell と同様、オブジェクト指向プログラミングと .NET Framework 2.0 に基づいている。PowerShell よりもコマンドや機能が拡張されており、Operations Manager の操作を自動化できる[4]。
バージョン
- Microsoft Operations Manager 2000
- Microsoft Operations Manager 2005
- Microsoft Operations Manager 2005 Service Pack 1
- System Center Operations Manager 2007
- System Center 2012 Operations Manager
- System Center 2012 R2 Operations Manager
- System Center 2016 Operations Manager
- System Center Operations Manager 2019
関連項目
脚注
参考文献
外部リンク