Playdead

Playdead ApS
種類
非公開有限会社
業種 ビデオゲーム
設立 2006年 (18年前) (2006)
創業者
  • Arnt Jensen
  • Dino Patti
本社
主要人物
Arnt Jensen
製品
従業員数
70+[1] (2023)
ウェブサイト playdead.com

Playdead (Playdead ApS) は、デンマークコペンハーゲンを拠点とするインディーゲーム会社である。

解説

ゲームデザイナーの Arnt Jensen 氏と Dino Patti 氏が 2006年に設立し、2010 年に『LIMBO』を発売した。LIMBOは 1 年間のXbox 360独占販売期間を経て、PlayStation 3Microsoft WindowsmacOSiOSAndroid 向けに移植された。

2014 年の Xbox E3 カンファレンスにて、Playdeadは LIMBOの精神的続編で2作目のタイトルとなる『INSIDE』を発表し、2016年に Xbox One、Microsoft Windows、PlayStation 4 向けに発売された。INSIDEはLIMBOの後継作に相応しい完成度として高い評価を受けた。

歴史

元IO Interactiveの開発者だったArnt Jensen氏が2004年に描いたスケッチがLIMBOのコンセプトの出発点となった。プログラミングを独学した後、デンマーク政府助成金を獲得し、2006年にはアートを使ったゲームのティーザーでさらなる支援を求めた。これがJensen氏とDino Patti氏の出会うきっかけとなる。プロジェクトの規模の大きさから自分たちだけではとても対応できないと判断した2人は、投資家に資金を募りPlaydead ApSを設立した(Underholdningsbranchen ApS[注 1]と投資家により設立)。2010年6月に『LIMBO』を販売した[2]。LIMBOは高い評価を得て、100万本超を売り上げるセールスを記録した[3]。なおPlaydeadはLIMBOの発売後、投資家から会社を買い戻し完全独立を果たしている。

LIMBOの発売と同じ年にPlaydeadはProject 2と呼ばれる新規タイトル、後の『INSIDE』の開発を開始した[4]。このゲームは デンマーク国立映画機関からゲームに対する資金提供枠で100万ドルの資金援助を受けている[5]。LIMBOの精神的続編とされるINSIDEは2.5次元プラットフォームゲームで、主にモノクロパレットを使用するなど多くの共通点を持つ。LIMBOではカスタムゲームエンジンを使用していたが、INSIDEでは開発を簡略化するためにUnityを採用し[6]、さらにPlaydeadが2016年3月にオープンソースライセンスで公開した時間的アンチエイリアス(英語版)フィルターを追加している。このゲームはE3 2014で正式発表され[7]、2015年の発売がアナウンスされていたが、さらなる作り込みのため2016年中旬に発売延期された。一方、2015年8月のPAX Primeではデモを公開している。サウンドトラックはLIMBOに引き続きMartin Stig Andersen氏が担当し、人間の頭蓋骨を使った骨伝導でサウンドを作成した。『INSIDE』は2016年6月29日にXbox Oneで、7月7日にSteamを通してWindowsで発売された[8]。その後、PlayStation 4版は8月23日[9]に、iOS版は2017年12月15日[10]に発売され、Nintendo Switch版は『LIMBO』とともに2018年6月28日に発売された[11]。また505 Gamesから『INSIDE』と『LIMBO』の2作を同梱したXbox OneとPlayStation 4向けのソフトを2017年9月に発売されている[12]

INSIDEの発売直後である2016年7月19日、共同創設者のDino Patti氏が退社した。Patti氏は「Playdeadをゲーム業界に2つの足跡を残せる状態まで育て上げたのだから」と退社理由を述べ、「約10年間、Playdeadをアイデアからゲーム業界に2つの足跡を残せる会社に成長させるという信じられない経験を経て、私は新しい挑戦を求めるために去る」と語った[13]。デンマークの新聞Dagbladet Børsenは2015年頃からPatti氏とJensen氏の間で亀裂が生じていたと報じている[14]。Patti氏はKotakuに対し、「次期プロジェクトの予定表と、私の人生における今の位置」が原因だと述べた[15]。この亀裂により、Jensen氏はクリエイティブディレクターの職を辞めるとする辞表をPatti氏に提出したが、会社経営者としては残るつもりだった。しかしこの手紙はPatti氏によって誤解され、会社からの完全な退職と受け取られ、Patti氏はJensen氏の名をデンマーク中央企業登録簿から誤って削除してしまった。これにより、2人と彼らの代理人弁護士との間で対立が生まれ、デンマークビジネス当局が介入して解決しなければならなくなったが[16]、最終的にPatti氏は5千万デンマーククローネ(約720万ドル)で株式を売却することで合意した[17]。Patti氏はPlaydeadとの関わり方が終わったことに落胆していたが、「Arntは長年本当に良い友人でありビジネスパートナーだった」と語った[18]。一連の騒動後、Patti氏は2017年6月に映画アニメーターのChris Olsen氏と共にイギリスの新スタジオ「Jumpship」を設立した[19]。Jumpshipの第1作目『Somerville』(2022年発売)は、プレイデッドのスタイルと好意的に比較されている[20]

現在開発中の3作目の詳細については、早くも2017年1月に「宇宙のどこかにある孤独なSFゲームになる」とJensen氏が予告している[21]。1,2作目の2.5次元の世界観から一転、3作目は3Dで三人称視点のゲームとして開発されていることについてJensen氏は「2Dゲームの限界に疲れていた」と述べている[22]。2019年には求人情報に数ヶ月にわたってこのゲームのイメージティザーが公開された[23]。2020年3月、Epic Gamesが本作のパブリッシャーとなり、開発費とUnreal Engineのサポートを全面的に提供する一方、完全なクリエイティブコントロールはPlaydeadに一任すること、そしてEpicが投資額を回収した後の利益を50/50で分配する合意を発表した[24]

脚注

注釈

  1. ^ デンマークのコペンハーゲンにある持株会社。2006年12月18日設立。

出典

  1. ^ Playdead Company”. Playdead. 2024年2月17日閲覧。
  2. ^ Kollar, Philip (2014年6月9日). “Inside is the next game from Limbo creators Playdead Studios” (英語). Polygon. 2024年2月17日閲覧。
  3. ^ Goldfarb, Andrew (2012年7月27日). “Limbo Follow-Up Project 2 is ‘At Least 2 Years Away’” (英語). IGN. 2024年2月17日閲覧。
  4. ^ Advertising, Routledge, (2015-02-11), pp. 205–214, ISBN 978-1-315-73841-3, http://dx.doi.org/10.4324/9781315738413-11 2024年2月17日閲覧。 
  5. ^ Contributor, Stace Harman (2012年6月14日). “Playdead's Limbo follow-up, new details and concept art” (英語). VG247. 2024年2月17日閲覧。
  6. ^ news” (英語). Game Developer. 2024年2月17日閲覧。
  7. ^ Kollar, Philip (2014年6月9日). “Inside is the next game from Limbo creators Playdead Studios” (英語). Polygon. 2024年2月17日閲覧。
  8. ^ Sanchez, Miranda (2016年6月13日). “E3 2016: Limbo Follow-Up Inside Gets a Release Date” (英語). IGN. 2024年2月18日閲覧。
  9. ^ Editor, Stephany Nunneley-Jackson News (2016年8月3日). “Playdead's Inside has a date with PlayStation 4 at the end of this month” (英語). VG247. 2024年2月18日閲覧。
  10. ^ Playdead is bringing Inside to iOS on Friday” (英語). Destructoid (2017年12月12日). 2024年2月17日閲覧。
  11. ^ Kuchera, Ben (2018年6月28日). “Nintendo eShop update brings Wolfenstein 2, Crash Bandicoot and more” (英語). Polygon. 2024年2月17日閲覧。
  12. ^ Frank, Allegra (2017年6月28日). “Limbo and Inside are heading to retail in one pack” (英語). Polygon. 2024年2月17日閲覧。
  13. ^ Contributor, Dan Pearson (2016年7月19日). “Dino Patti leaving Playdead” (英語). GamesIndustry.biz. 2024年2月18日閲覧。
  14. ^ Vries, Steffen de (2017年1月15日). “Gylden spilduo splitter efter magtkamp - stifter får 50 mio for at gå” (デンマーク語). borsen.dk. 2024年2月18日閲覧。
  15. ^ Co-Founder Of Inside Creators Gets $7 Million After Business Breakup” (英語). Kotaku (2017年1月18日). 2024年2月18日閲覧。
  16. ^ Contributor, Dan Pearson (2017年1月19日). “Details emerge of Playdead split” (英語). GamesIndustry.biz. 2024年2月18日閲覧。
  17. ^ Contributor, Dan Pearson (2017年1月19日). “Details emerge of Playdead split” (英語). GamesIndustry.biz. 2024年2月18日閲覧。
  18. ^ Vries, Steffen de (2017年1月15日). “Gylden spilduo splitter efter magtkamp - stifter får 50 mio for at gå” (デンマーク語). borsen.dk. 2024年2月18日閲覧。
  19. ^ news” (英語). Game Developer. 2024年2月18日閲覧。
  20. ^ published, Natalie Clayton (2021年6月13日). “Somerville is Inside set during an alien apocalypse, and it's coming next year” (英語). PC Gamer. https://www.pcgamer.com/somerville-is-inside-set-during-an-alien-apocalypse-and-its-coming-next-year/ 2024年2月18日閲覧。 
  21. ^ Inside developer Playdead’s next game will be sci-fi” (英語). PCGamesN (2018年10月1日). 2024年2月18日閲覧。
  22. ^ The Limbo and Inside studio is going 3D, third-person, and sci-fi for its next game” (英語). PCGamesN (2018年11月2日). 2024年2月18日閲覧。
  23. ^ Contributor, James O'Connor (2019年7月7日). “Some new art from Playdead's next game has quietly been released inside job listings” (英語). VG247. 2024年2月18日閲覧。
  24. ^ Epic will publish games from Remedy, Playdead and Gen Design” (英語). VGC (2020年3月26日). 2024年2月18日閲覧。

外部リンク

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