Master(マスター)は、DeepMind社の囲碁ソフトウェアであるAlphaGoのバージョンである。名称はオンライン上でのアカウント名(当初はMagister/Magist)に由来する。Masterは2016年12月29日から2017年1月4日にかけて人間のプロ囲碁棋士に対してオンラインでの対局で60連勝を果たした。このバージョンは2017年5月の囲碁の未来サミット(英語版)でも使われた[1][2]。これは単一マシン上の4個のTPUを使用し、イロレーティングで4,858を記録した[3]。DeepMindはAlphaGo MasterはAlphaGo対李世ドルで使われたバージョンよりも3子強いと主張した[4]。
Masterはネット対局場の東洋囲碁で2016年12月29日に初めて囲碁棋士との対局を行った(アカウント名は 'Magister'、サーバーの中国語版では 'Magist' と表示)。アカウント名は12月30日に 'Master' に変更された。東洋囲碁で30局を行った後、2017年1月1日からは同じくネット対局場の野狐囲碁に移動した[5]。
Masterは1日に10局のペースで対局した。多くの人々がすぐに、Masterが対局間でほとんどか全く休みを取らないため、AIプレーヤーではないかと疑った。59局目に勝利した後、チャットルームにおいてMasterがDeepMindチームの黄士傑(中国語版)(Aja Huang)によってコントロールされていたことが明かされた[6]。2017年1月4日、これらの試合が完了した後、DeepMindの共同創業者デミス・ハサビスは、MagisterおよびMasterがどちらもAlphaGoのアップデート版を使用して対局していたことを認め[7][8]、「囲碁界と棋士と連携して年内にいくつかの公式対局を行うことを楽しみにしている」と述べた[7][8]。
野狐囲碁の共同創立者である古力は、Masterを破ることができた初めての人間に対して10万元(14,400米ドル)の懸賞金を提示した[8]。しかしながら、Masterはオンライン上で結局60連勝(柯潔に対する3勝を含む[9])を果たしたため、誰も懸賞金を受け取ることはできなかった[9]。
Masterの対戦相手には柯潔や朴廷桓、井山裕太、柁嘉熹、羋昱廷、時越、陳耀燁、李欽誠、古力、常昊、唐韋星、范廷鈺、周睿羊、江維傑、周俊勲、金志錫、姜東潤、朴永訓、元晟溱といった 多くの世界王者や 、 さらに連笑、檀嘯、孟泰齢、党毅飛、黄雲嵩、楊鼎新、辜梓豪、申眞諝、趙漢乗、安成浚といった国内王者や世界選手権準優勝者も含まれた[10]。一つを除く全60局は3回の20秒または30秒の秒読みと、持ち時間の短い碁であった。Masterは聶衛平との対局の際は高齢のため秒読みを1分に延長した。なお、60局はすべて非公式の対局である。
Alpha GoのMasterバージョンは2017年5月の囲碁の未来サミットにも参加した[1]。Masterは柯潔との3番勝負に3-0で勝利し、トップのプロ棋士5人のチームを破った。
囲碁の専門家はMasterの能力とそのオンライン対局における非人間的な棋風に非常に感銘を受けた。柯潔は、「人類が戦略を向上するために何千年もを費した後、コンピュータは人間が完全に間違っていたことを私達に教えた... 囲碁の真理の端に触れた人間は誰一人としていないと言わざるを得ない」と述べた.[9]。
Masterは多くの革新的な手を指し、囲碁棋士にひらめきを与えた[11][12][13][14][15][16][17]。
2017年1月20日、DeepMindのチームメンバー樊麾[19]と黄士傑(Aja Huang)[20]は、オンライン対局中に2度、操作者がうっかりとAlphaGoの選択した手と別の手を入力したと明かした。
オンライン第30局: Master(白)対 唐韋星(2016年12月31日)、Masterが中押し勝ち。白の36手目が広く称賛された[21]。
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