AN/USQ-20は、アメリカ海軍のコンピュータ・システム。UNIVAC(後のユニシス)のCP-642コンピュータを中核として、制御コンソールやテープドライブなどを連接したものである。
概要
海軍戦術情報システム(NTDS)は、開発段階では表面障壁トランジスタを用いたAN/USQ-17(英語版)コンピュータを使用していたが、艦上試験以前の1959年の時点で、既に性能不足が指摘されていた。この課題に対し、UNIVAC社は、プレーナー型トランジスタを用いたコンピュータであれば大幅な改善が見込めると提案し、他にも多くの大型プロジェクトを抱えていたにもかかわらず、わずか9か月半で完全に新しいコンピュータの設計を完成させた。これによって開発されたのがCP-642である。
USQ-17と同様に30ビット(英語版)のプロセッサを用いているが、スループットは倍増し、約100 kIPSとなった。命令のレパートリーは62個であった。主記憶装置としては磁気コアメモリが採用され、メモリサイズは32キロワード、サイクルタイムは、初期モデルであるCP-642Aコンピュータでは8マイクロ秒であったが、CP-642Bコンピュータでは2-3マイクロ秒に短縮された。筐体のサイズは高さ1.83メートル×幅0.97メートル×奥行き0.94メートルであった。
CP-642は1961年より運用を開始し、初期のNTDSの主計算機として用いられた。その後、1962年には改良型のCP-642Bが登場し、こちらも広く用いられたが、1969年に後継機であるAN/UYK-7が登場すると、以後に開発されたシステムではこちらが用いられるようになり、順次に代替されていった。
採用国と搭載艦
脚注
注釈
出典
参考文献