『2つのノルウェーの旋律』独: Zwei Nordische Waisen)作品63は、エドヴァルド・グリーグが1895年に作曲した、2曲からなる弦楽合奏曲である。同年にライプツィヒのペータースから出版されたが、初演については不明である[1]。また、ピアノ独奏および連弾用にも編曲され、これらも同社から出版されている[1]。
楽器編成
弦楽合奏。部分的に独奏ヴァイオリンのパートがあり、またチェロ以上のパートが各2部に分かれて最大で9部となる[1]。
演奏時間
第1曲:約7分、第2曲:約4分、計約11分[1]
内容
第1曲 民謡の調子で
ドイツ語原題は Im Volkston。フレデリック・ドゥエ(Frederik Due, 1853年 - 1906年)の旋律による。ドゥエはノルウェーの外交官で、パリ駐在大使などを務めたが、一方でアマチュアの音楽家でもあり、歌曲やピアノ曲を作曲した。本曲に用いられた旋律は、1894年にグリーグがパリでドゥエと出会った際に贈られたものである[1]。
曲はこの旋律を、主題呈示を含めて5回変奏するのみの、単純なものとなっている[1]。
第2曲 牛寄せ歌と足踏み踊り
ドイツ語原題は Kuhreigen und Bauerntanz。この訳題は菅野宏和によるもので、原題の正確な訳ではないが、作品の素材となった原曲の原題(ノルウェー語)ないし内容を参照して、より作品内容につながるものにした、としている[2]。
この曲自体がさらに2つの小曲からなるが、これらは続けて演奏される[1][2]。どちらの小曲も『25のノルウェーの民謡と舞曲(フランス語版、オランダ語版)』作品17からとられており、「牛寄せ歌」は第22曲「湿原に呼ばわる」(牛寄せ歌)の旋律、「足踏み踊り」は第18曲「つまづき踊り」の旋律による[2]。
脚注
- ^ a b c d e f g 『作曲家別名曲解説ライブラリー18』p.41
- ^ a b c 『作曲家別名曲解説ライブラリー18』p.42
参考文献
- 『作曲家別名曲解説ライブラリー18 北欧の巨匠』(音楽之友社、1994年) 「2つのノルウェーの旋律 op.63」p.41-43(菅野宏和執筆)
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