金 文洙(キム・ムンス、1951年8月27日 - )は、大韓民国の政治家、元労働運動家。国会議員(15~17代)、京畿道知事(2006年~2014年)、セヌリ党保守革新委員会委員長(2014年)、自由統一党(朝鮮語版)代表(2020年)、自由共和党共同代表(2020年)、雇用労働部長官(2024年)を歴任した。
歩み
慶尚北道永川郡(現:永川市)生まれ、軍事独裁政権時代の70年代~80年代にかけ労働運動家として労働運動に携わった。民主化後の1990年に本格的革新政党として結成された民衆党に参加したが、後に金泳三大統領(当時)与党である民主自由党に参加した。第15代総選挙で初当選して政界入りした後、2006年の京畿道知事選挙へ立候補して当選、第4代民選知事となった。2012年12月に予定されている韓国大統領選挙における候補の一人と目され、4月22日に出馬表明[1]。7月12日、セヌリ党の大統領候補予備選に立候補[2]したが、党員・一般国民による投票と世論調査による党内選挙の結果、当初から有力視されていた朴槿恵に大差で敗れた[3]。2014年1月、6月に行われる第6回全国同時地方選挙の一つとして行われる京畿道知事選には出馬しない意思を明らかにした上で、「京畿道も重要だが、国家的な事案である統一や経済活性化などに関心があり、他の事も懸命にやりたい」と(2017年の)大統領選への出馬意欲を示した[4]。
知事退任後の2014年9月、セヌリ党の党内改革を推進する保守革新委員会の委員長に就任した[5]。
2016年4月13日に行われた第20代総選挙で大邱市寿城区甲選挙区から立候補したが、得票率37.7%にとどまり、共に民主党の金富謙(得票率62.3%)に大差で敗れて落選した。
2018年6月13日に行われた第7回全国同時地方選挙のソウル特別市長選挙に立候補したが、得票率23.3%にとどまり、共に民主党の現職市長・朴元淳(得票率52.7%)にダブルスコアの大差をつけられて惨敗した[6]。
2019年に入ってから太極旗集会(朴槿恵の弾劾無効と崔順実ゲート事件の冤罪を主張する集会)に積極的に参加するようになり、曹国の法務部長官就任を巡って国論が分裂した際には就任に抗議する意味合いで剃髪をした[7]。そして2020年1月31日に自由統一党(朝鮮語版)を創立して党代表に就任すると[8]。直後の2月20日に太極旗集会の主宰者であるウリ共和党と統合することで合意し[9]、3月3日の自由共和党発足に際して趙源震と共同代表に就任した[10]。しかし、趙と総選挙戦略に対する異見があるため、間もなく再び離れ、以降は脱北者の人権増進活動および文在寅政権に反対する保守性向の市民団体で活動している[11][12][13][14]。
2022年10月、尹錫悦政権の経済社会労働委員会(朝鮮語版)委員長に就任した。ただし、元労働運動家であるにもかかわらず、労働運動界は金が政治家時代に反労働運動的な言辞をしたとして、任命に反対した[15]。
2024年7月31日、尹錫悦大統領により雇用労働部長官に指名された[16]。2024年8月29日に任命された[17]。
人物・主張
本貫は慶州金氏[18]。
来歴
- 出所:프로필(プロフィール)
エピソード
2011年8月、京畿道知事として大韓送油管公社(朝鮮語版)乙支演習の対テロ訓練に参加した際、ライフル銃の照準器を見ながら取った射撃姿勢は未熟練者に見えるため、ネット上で話題となった。実際に金は過去に中耳炎により、兵役免除の判定を受けた[21]。
脚注
関連項目
外部リンク