聖家族(せいかぞく、羅: Sacra Familia)は、幼少年時代のイエス・キリストと養父ヨセフ、聖母マリアのことであり、キリスト教美術の主題のひとつであった。
聖家族をモチーフとした作品の創造は、15世紀から17世紀のルネサンス美術・バロック美術において盛んであった。よく描かれたのは『マタイによる福音書』が伝える聖母のエジプト逃避で、旅の途上で休憩するマリア母子が豊かな風景画として描かれた。後の画家は、この画題に幼い洗礼者ヨハネや他の聖人を配した。
16世紀のイタリア美術は、フランドル絵画の影響により風景画の技法が発達し、とくに宗教画でその技法が取り入れられた。ティントレットの『エジプトへの逃避』はその影響が強くみられ、背景に神秘的な情感を持たせた作品となっている[1]。
参考文献
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ジャン リュデル『イタリア・ルネサンス絵画』木村三郎 (監修)、金山弘昌 (監修)、望月典子 (訳)、安室可奈子 (訳)、田中麻野 (訳)、一瀬 あゆみ (訳)、白水社〈文庫クセジュ〉、2010年、pp.83-87頁。ISBN 978-4560509524。
関連項目
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