硝酸リチウム(しょうさんリチウム、lithium nitrate)は組成式LiNO3で表されるリチウムの硝酸塩である。
日本の法令では、消防法で危険物第1類(硝酸塩類)に指定される。
製法
炭酸リチウムを希硝酸に溶解し、水溶液を濃縮すると3水和物が得られる[1][3]。
性質
水に易溶で強い吸湿性、潮解性をもつ。無水物のほか、0.5水和物および3水和物が存在する。エタノールおよび液体アンモニアにも可溶である。水溶液から29.6℃以下では3水和物、29.6℃から61.6℃では0.5水和物、61.6℃以上では無水物が析出する[3]。
硝酸ルビジウムと複塩を生成する。
加熱により激しく分解し酸化リチウムを残す。
結晶構造
無色の三方晶系の結晶であり、単位格子は以下のような構造をとる。
__ Li+ __ N __ O
脚注
- ^ a b 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ a b 『化学大辞典』 共立出版、1993年