正方晶系
正方晶系(せいほうしょうけい、英: tetragonal crystal system)は、7つの結晶系の1つ。対応するブラベー格子は、単純正方格子・体心正方格子の2種類。
正方晶系の結晶構造は、正六面体格子を1つの格子ベクトルに沿って伸ばすことにより得られるものであり、その結果、正方形の底面(a×a)と長方形の側面(a×c, a≠c)を持つ直角の角柱となる。
ブラベー格子
正方晶系には、単純正方格子(単純な立方格子が伸びたもの)と体心正方格子(面心立方格子または体心立方格子が伸びたもの)の2つのブラベー格子がある。面心立方格子を伸ばすと面心正方格子になると思われがちだが、面心正方格子は体心正方格子と等価である。体心正方格子はより基礎的だと考えられており、そのため標準的な術語として用いられている[1]。
結晶分類
この結晶系となる点群は、以下の通りである。表には、ヘルマン・モーガン記号、シェーンフリース記号、オービフォルド記号(英語版)、該当鉱物の例等が併せて記されている[2][3]。
#
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点群
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例
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空間群
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分類
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Intl
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Schoen.
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Orb.
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Cox.
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75–80
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Tetragonal pyramidal
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4 |
C4 |
44 |
[4]+
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ピノ石, ピウパイト
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P4, P41, P42, P43 I4, I41
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81–82
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Tetragonal disphenoidal
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4 |
S4 |
2× |
[2+,4+]
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カーン石, ツグツープ石
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P4 I4
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83–88
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Tetragonal dipyramidal
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4/m |
C4h |
4* |
[2,4+]
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灰重石, モリブデン鉛鉱, 白榴石
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P4/m, P42/m, P4/n, P42/n I4/m, I41/a
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89–98
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Tetragonal trapezohedral
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422 |
D4 |
224 |
[2,4]+
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クリストバライト, ワード石
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P422, P4212, P4122, P41212, P4222, P42212, P4322, P43212 I422, I4122
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99–110
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Ditetragonal pyramidal
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4mm |
C4v |
*44 |
[4]
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ダイアボレオ石
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P4mm, P4bm, P42cm, P42nm, P4cc, P4nc, P42mc, P42bc I4mm, I4cm, I41md, I41cd
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111–122
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Tetragonal scalenohedral
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42m |
D2d |
2*2 |
[2+,4]
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黄銅鉱, 黄錫鉱
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P42m, P42c, P421m, P421c, P4m2, P4c2, P4b2, P4n2 I4m2, I4c2, I42m, I42d
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123–142
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Ditetragonal dipyramidal
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4/mmm |
D4h |
*224 |
[2,4]
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金紅石, 軟マンガン鉱, ジルコン
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P4/mmm, P4/mcc, P4/nbm, P4/nnc, P4/mbm, P4/mnc, P4/nmm, P4/ncc, P42/mmc, P42/mcm, P42/nbc, P42/nnm, P42/mbc, P42/mnm, P42/nmc, P42/ncm I4/mmm, I4/mcm, I41/amd, I41/acd
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出典
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