植物群落 (しょくぶつぐんらく、英 : plant community, phytocoenosis, phytocenosis )とは、一定範囲の場所に生成し互いに連関している植物 の個体群全体を指す。単に(生物学上の)群落 ともいう。なお群生 は同じ種類の植物が集まっている場合のみを指す。
ひとつの植物群落は、近辺の植物タイプの集合体とは別のものとして識別される。各植物群落を構成する植物は、土壌の質や地形、気候、また人の手による自然秩序破壊の程度により影響を受ける。ひとつのコミュニティの内にもしばしば異なる質の土壌がいくつか見られる。
フォレストコミュニティ(林群集)を構成するのは林冠 層または高木 層と呼ばれる、枝や葉で覆われた最上部の層と、下層である。下層はさらに分割され低木 層、草本 層、そして時にはコケ 層に分けられる。複合林 においては、下層はより細かく分類されることもある。
オーストラリアのタスマニア、High Shelf Camp に広がるヒースの大草原
例
コーカサス 大草原北部の草地 を例にとってみる。ここで多くみられるのはFestuca sulcata と Poa bulbosa である。また、ここのコミュニティでよく見られるスゲ の種類はCarex shreberi である。その他の代表的な広葉の草本類として、Artemisia austriaca やPolygonum aviculare が挙げられる。
3層から成る植物群落の例としては、ニュージーランドの南島 のCentral Westlandがある。この森林 はマキ /広葉樹 の森林としては国内最大規模の広がりを持つ。高木層にはミロ、リム、マウンテントタラなどが生育している。中間層に見られるのはCyathea smithii やDicksonia squarrosa といったシダ類、そして最下層の着生植物にはAsplenium polyodon 、 Tmesipteris tannensis 、 Astelia solandri 、Blechnum discolor といったものが見られる。
関連項目
参考文献