東京大学の進学選択(とうきょうだいがくのしんがくせんたく)は、東京大学教養学部前期課程で行われる所属学科の選択制度。長らく「進学振分け」として知られていたが、2015年に「進学選択」に改名された。通称は進振り(しんふり)。
概要
東京大学では、後期課程の各学部・学科への進学は2年生の前半終了時に内定する。学科により進学可能な定員があるため、希望者の多い学科に進む場合はそれまでの1年半の履修成績により選考が行われる。この選考のことを進学選択と呼ぶ。
内定過程
科類により後期課程に進学可能な学部・学科が決まっており、概ね以下の通りである[1]。
この他、教養学部後期課程には、成績次第でどの科類からも進学できる。また、学部・学科によっては上に記した科類以外からの進学も、少数ではあるが認められる(傍系進学)。文科から理科(理転)、理科から文科(文転)も僅かながら見られる[3]。
2008年度進学者より全科類進学枠が設けられ、どの科類からでもすべての学部(学科ではない)に進学できるようになった。
2007年度進学者までは、文科一類から法学部、文科二類から経済学部、理科三類から医学部医学科へは、希望すれば全員進学できたが、2008年度進学者からは他科類と同様に成績による選考がなされる。
進学振分けで内定した学生は、2年生の後半(4学期)には主に、内定した学部の後期課程の講義を履修する(前期課程の講義も履修できる)。ただし、法学部・文学部と教職課程は2年生の前半(3学期)から開始される。2006年度(2007年度進学者)までは経済学部の講義も3学期から開講されていたが、全科類進学枠の導入に合わせて、4学期開始に変更された。
また、内定できなかった学生は2年生の前半(3学期)から1年生の後半(2学期)に戻る。留年の一種であるが、同じ学年に留まる留年とは異なるため「降年」と呼ばれる。
2015年度入学者からは、進学振分けに代わる制度として進学選択が行われる。それに伴って1セメスター内で所得できる単位に上限がつくキャップ制が導入される。
評価・批判
進学選択は、学生が前期課程教育で教養を習得した後で進路選択をできるようにするためのシステムであり、多彩な進路選択が可能になるというメリットがあるが、その一方で成績競争が起きていることや希望の学科で学べない学生が発生していることなどが問題とされる。
専門学部から「前期課程を廃止し、専門教育を早い時期から行うべきだ」と主張する教員も一部いるが、教養学部は断固反対している。
他大学の類似制度
脚注
関連項目
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