木村 忠正(きむら ただまさ、1964年 - )は、日本の文化人類学者。早稲田大学教授・東京大学教授を経て、立教大学社会学部教授。専門は認知人類学、情報社会論(とくにデジタルデバイド、バーチャルエスノグラフィなど)、科学技術人類学、情報ネットワーク論。
経歴
1964年、東京生まれ。東京都立科学技術大学、東京大学、早稲田大学などを経て2015年より現職。東京大学大学院総合文化研究科、ニューヨーク州立大学大学院バッファロー校にて文化人類学を専攻していた。その後、1990年代半ばからインターネットの可能性に着目し、ネット世論研究、デジタルネットワークの社会的普及に伴う社会文化の変容、デジタルネイティブの政治意識などを研究テーマとしている。Ph.D.(文化人類学)。大学では「知の専門家であれ(Be a Knowledge Professional)」を育成目標としている。研究対象地域は日本、北米、北欧、オランダ、韓国、中国である。2017年時点における大学での担当科目は、メディア・コミュニケーション論、webスタディーズ、専門演習2である[1][2]。2015年4月より立教大学社会学部メディア社会学科教授に就任した[3]。
履歴
受賞
- 2001年 日本社会情報学会優秀文献賞 著書『デジタルデバイドとは何か』[4]
- 2002年 電気通信普及財団テレコム社会科学賞[5]
- 2009年 日本社会情報学会優秀論文賞 「インターネット利用行動と一般的信頼・不確実性回避との関係」(共著)[6]
単著
- 『第二世代インターネットの情報戦略』NTT出版、1997年
- 『オンライン教育の政治経済学』NTT出版、2000年
- 『デジタルデバイドとは何か〜コンセンサス・コミュニティをめざして〜』岩波書店、2001年
- 『ネットワーク・リアリティ〜ポスト高度消費社会を読み解く』岩波書店、2004年
- 『デジタルネイティブの時代 なぜメールをせずに「つぶやく」のか』平凡社新書、2012
共著
- 『ネットワーク時代の合意形成』NTT出版、1998年、土屋大洋との共著
- 『デジタル・デバイド〜構造と課題〜』C&C振興財団編著、NTT出版、2002年
論文
- 「パネル調査によるインターネットの利用の影響分析」、橋元良明 辻大介 石井健一 金相美との共著、『東京大学社会情報研究所調査研究紀要』第21巻 pp.305-454、担当箇所:4.「リテラシーと信頼」、pp.358-388、東京大学社会情報研究所、2004年
- 「インターネット使用者におけるホームページ所有の規定要因:日韓フィンランド3カ国比較分析」、斎藤嘉孝との共著、『情報通信学会誌』第23巻第1号、pp.45-52、情報通信学会、2005年
- 「情報化社会における合理的無知〜デジタルデバイド意識の集団差は存在するか〜」、斎藤嘉孝との共著、『日本社会情報学会学会誌』第16巻第2号、pp.45-58、日本社会情報学会、2004年
- 「第三の産業分水嶺としての『デジタル・デバイド』〜PACS(ポスト高度消費社会)をいかに構想するか〜」、『情報通信学会誌』第19巻第1号、pp.15-39、情報通信学会、2001年
- 「電子メイルを媒介とした社会的行為空間」、『日本語学』第15巻第12号、pp.12-26、1996年、明治書院
- 「『病気になる』ことの認知人類学」、『文化人類学研究』第7巻、pp.66-96、早稲田大学文化人類学会、2006年
外部リンク
出典