660形は、朝鮮鉄道が黄海線用に製作したテンダー式蒸気機関車である。
朝鮮鉄道660形蒸気機関車 |
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660形662号竣工写真 |
基本情報 |
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運用者 |
朝鮮鉄道→朝鮮総督府鉄道→韓国鉄道庁・朝鮮民主主義人民共和国鉄道省 |
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製造所 |
汽車製造、日本車輌製造 |
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製造数 |
6両 |
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主要諸元 |
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軸配置 |
1C1 |
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軌間 |
762mm(特殊狭軌) |
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全長 |
13,342mm |
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全幅 |
2,300mm |
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全高 |
3,000mm |
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機関車重量 |
28.0 t |
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動輪上重量 |
20.0 t |
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炭水車重量 |
12.0 t |
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総重量 |
40.0 t |
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固定軸距 |
2,500 mm |
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先輪径 |
570 mm |
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動輪径 |
1,100 mm |
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従輪径 |
570 mm |
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軸重 |
6.67 t |
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シリンダ数 |
単式2気筒 |
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シリンダ (直径×行程) |
340 mm × 400 mm |
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弁装置 |
ワルシャート式 |
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ボイラー圧力 |
14.0 kg/cm2 (1.373 MPa; 199.1 psi) |
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火格子面積 |
1.24 m2 |
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全伝熱面積 |
52.1 m2 |
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過熱伝熱面積 |
14.3 m2 |
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全蒸発伝熱面積 |
37.8 m2 |
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煙管蒸発伝熱面積 |
36.2 m2 |
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火室蒸発伝熱面積 |
5.2 m2 |
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燃料 |
石炭 |
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燃料搭載量 |
2.0 t |
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水タンク容量 |
5.0 m3 |
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制動装置 |
自動空気ブレーキ |
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最高運転速度 |
70 km/h |
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引張力 |
30.21 kN (6,790 lbf) |
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シリンダ引張力 |
5.00 tf(49.03kN) |
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概要
礼成江鉄橋が1932年(昭和7年)に竣工したことにより、朝鮮鉄道にとり黄海線の重要性は急に増したが、即時の改軌は不可能なため従来の762mm軌間のまま輸送力増強が図られた。
1935年までに従来の軽便鉄道の枠を超える、京城-海州[1]間の急行列車の運行が可能かどうかの調査がなされた。1935年内に既存形式である655形(動輪径940mm)により70km/hでの運行が問題ないことが確かめられた。[2]
試験結果を受け製作されたのが本形式で、動輪直径は1,100mmに拡大され[3]、黄海道を70km/hで快走する急行列車を牽引した。
本形式も900形と同様の手法により広火室を採用し重心低下と出力確保を両立している。[5]
660形は6両製作され、1937年末までに汽車製造にて3両(機番660 - 662、製造番号1490 - 1492)、日本車輌製造にて3両(機番663 - 665、製造番号501 - 503)が製造された。
戦時中
戦時中の1944年4月1日付で黄海線が朝鮮総督府に買収され、本形式も朝鮮総督府鉄道の車両となる。
戦後
戦後の朝鮮半島分断により、本形式も南北に分断されそれぞれ韓国と北朝鮮それぞれの国鉄に引き継がれた。
現存する車両はない。
参考文献
- 交友社「SL No.4 汽車会社蒸気機関車製造史」1972年
- 機芸出版社「日本蒸気機関車史」 2020年 pp.51-52
- 機芸出版社 「鉄道模型趣味」2021年2月号pp.60-65『762 mm 軌間では世界最大級のミカド形とプレーリー形テンダー機関車-その2-』宮田寛之著
脚注
- ^ 黄海道の道庁所在地であった。
- ^ 70km/hに於いて655形の動輪回転数は400回転/分に及ぶ。
762mm軌間のため無闇に動輪径を拡大できないという事情はあるが、やや昔のドイツ流儀に依り300回転/分を標準とする日本形蒸気機関車としては異例なまでの高回転である。
- ^ 動輪回転数は340回転/分に抑えられた。これでも日本国鉄機よりは高回転であり、より大動輪の9600形・E10形は1,250mm動輪をもってなお65km/hにとどまる。
- ^ 日本蒸気機関車史p.51
- ^ ボイラ中心高さは900形より若干低い1750 mm 、ボイラ内径は982 mm となっている。重心を下げるため、砂箱はランボード上に、また軸重バランス対策として前台枠の大型鋳物や補機類の前よりへの配置がなされている。[4]
関連項目