春風亭 鹿の子(しゅんぷうてい かのこ、1967年12月11日 - )は、日本の元落語家。女性。本名:桑原 由希子(旧姓・大釜)。かつては落語芸術協会に所属していた。出囃子は『娘道成寺』。東京都墨田区出身。
経歴
日本大学櫻丘高等学校卒業後、浅草演芸ホールの裏方の仕事を経て、1996年12月、五代目春風亭柳昇に入門。春風亭鹿の子の名で、翌1997年に初高座。
2001年2月、二ツ目に昇進。2003年6月、柳昇の死去により九代目春風亭小柳枝門下となる。
2010年5月、三笑亭可龍、春風亭傳枝、昔々亭慎太郎と共に真打に昇進[1]。
2020年頃より休業し、2023年廃業、落語芸術協会退会[2]。
人物
- 新作・古典共に演じたが主に演じたのは古典落語。真打昇進時、堀井憲一郎は「女性を武器にしないで古典を聴かせるところは、とても楽しみ」と評している[3]。
- 「鹿の子」という名前は、柳昇のところに最初に挨拶に行った時に「銀座鹿乃子」の和菓子を持っていったら、それで名づけられた[4]。
- 名前にちなみ「鹿」グッズを集めていた[5]。
- サラリーマンの男性と結婚。仕事と家事・子育てを両立させた体験と、男性中心の落語家社会で女性が働くことの大変さを中心に、全国各地の男女共同参画をテーマにした講演会で語っていた[6]。
- 一児の母。妊娠中も袴をつけて臨月まで高座に上がった[7][1]。
- 柳亭こみちは、師匠の七代目柳亭燕路からの指示で最初の稽古は同じ女流の鹿の子のところに出向いている。そこで鹿の子から「どんな噺だって男が出てくるんだから怖がらずに男を演るように」というアドバイスを受けた[8]。後に、こみちも出産直前まで高座に上がっている[7]。
- 2024年現在、2020年9月に収録の高座が寄席チャンネルSELECT(amazonプライム)で鑑賞可能である。演目は「鼓ヶ滝」「鹿政談」。
出典
- ^ a b 「東で初の“母ちゃん真打”誕生「臨月も高座に上がっていました」」『ZAKZAK』2010年3月17日。
- ^ 『東京かわら版 令和五年3月号 一行情報』東京かわら版、2023年2月28日、119頁。ISBN 9784910085319。
- ^ 『東京かわら版 平成22年5月号 ホリイの落語狂時代(38)』東京かわら版、2010年、15頁。
- ^ 『東京かわら版 平成22年5月号 落語芸術協会 新真打特集』東京かわら版、2010年4月28日、8-14頁。
- ^ 春風亭鹿の子 著、佐藤友美 編『東京かわら版 平成18年2月号 ON & OFF ひ・み・つのダイヤリー 第2回』東京かわら版、2006年1月28日、16頁。
- ^ “忠恕” (pdf). 深谷市. p. 3 (2016年3月). 2023年7月24日閲覧。
- ^ a b 柳亭こみち(@komichiofficial) (2023年3月24日). “春風亭鹿の子お姉さんが噺家を辞められたと聞き、大ショックを受けています。”. twitter. 2023年5月1日閲覧。
- ^ 三浦琢揚(株式会社ミウラ・リ・デザイン) (2015年12月). “柳亭こみち 独占インタビュー(2)”. くがらく. 大田区久が原落語友の会「くがらく」. 2023年7月1日閲覧。
外部リンク