『忍法相伝64』(にんぽうそうでん64)は、1964年に発表された山田風太郎の時代小説。『週刊大衆』[1]に連載された忍法帖シリーズの一つ。コント55号主演『俺は忍者の孫の孫』(東宝映画)が作られるもとになった原作の一つ。
のちに内容をふくらませた続編(冒頭はほぼ同じ)の『忍法相伝73』(連作長編)が執筆された。忍者の末裔である主人公が「忍法墨消し」を使い現代(1964年当時の日本)で偽札騒動を起こす。
物語
大昔の忍者・伊賀風忍斎が書き残した巻物「忍法相伝書」。「忍法相伝1」から「忍法相伝63」までは誰かが試して失敗したらしく、朱でバッテンがつけられている。風忍斎の子孫である運送会社の事務員・伊賀大馬が、バッテンがまだない次の「忍法相伝64」を試してみると、紙幣も免許証も白紙になってしまう。
登場人物
- 伊賀大馬 - 本作をはじめとする「忍法相伝」シリーズの主人公。29歳。伊賀忍者の末裔。
- 芦谷美登 - 23歳。主人公が思いを寄せる女性。
- 芦谷洋 - 美登の弟。中学生。
作中に登場する忍法
備考
本作の主人公である伊賀大馬は、山田風太郎の推理小説および奇想小説の数作にも登場しており、世界観を同じくする作品がある。
単行本
- 改作・続編の長編『忍法相伝73』の単行本および文庫(講談社、のち角川文庫)にも未収録。『山田風太郎忍法帖短篇全集』(ちくま文庫、2004年 - 2005年)に収録されたが、絶版になっている[2]。
映画
キャスト
脚注
- ^ 『週刊大衆』(1964年1月23日号)
- ^ 2017年8月現在
- ^ DVD『俺は忍者の孫の孫』(販売元: 東宝 発売日 2006年3月24日)