岩井 忠熊(いわい ただくま、1922年(大正11年)8月17日[1] - 2023年(令和5年)11月4日[2])は、日本の歴史学者。専攻は日本近代史。立命館大学名誉教授。
熊本県熊本市出身。名前の「忠熊」は熊本生まれに因む。京都大学文学部卒業。立命館大学教授・副学長を歴任。
元特攻隊員
京都大学から学徒出陣した、特攻艇・震洋の元特攻隊員である。しかし、石垣島へ移送中に敵軍の魚雷攻撃を受けて船が沈没。3時間泳いだ末に救助され、特攻せずに存命したまま終戦を迎えた。元特攻隊員であることは晩年になってから明かしたことで、明かした理由は「特攻を公然と賛美する動きに腹が立ったからです」と語っている[3]。
2歳上の兄・忠正も慶應義塾大学在学中に学徒出陣し、伏龍・回天の元特攻隊員であった[4]。
親族
著書
単著
- 『明治国家主義思想史研究』(青木書店、1972年)
- 『天皇制と日本文化論』(文理閣、1987年)
- 『学問・歴史・京都』(かもがわ出版、1988年)
- 『天皇制と歴史学』(かもがわ出版、1990年)
- 『学徒出陣 - “わだつみ世代”の伝言』(かもがわ出版、1993年)
- 『明治天皇 - 「大帝」伝説』(三省堂、1997年)
- 『大陸侵略は避け難い道だったのか - 近代日本の選択』(かもがわ出版、1997年)
- 『近代天皇制のイデオロギー』(文理閣、1998年)
- 『西園寺公望 - 最後の元老』(岩波書店、2003年)
- 『戦争をはさんだ年輪 一歴史研究者のあゆみ』(部落問題研究所、2003年)
- 『陸軍・秘密情報機関の男』(新日本出版社、2005年)
共著
- 〈後藤靖〉『天皇制と代替り』(かもがわ出版、1989年)
- 〈岩井忠正〉『特攻 自殺兵器となった学徒兵兄弟の証言』(新日本出版社、2002年)
- 〈岩井忠正〉『特攻 最後の証言 100歳・98歳の兄弟が語る』(河出書房新社、2020年)
編著書
- 『近代日本社会と天皇制』(柏書房、1988年)
- 『天皇代替り儀式の歴史的展開 - 即位儀と大嘗祭』(柏書房、1989年)
- 『天皇制国家の統合と支配』(文理閣、1992年)
- 『国際貢献論とアメリカ新戦略 - 世界の中の日本の針路』(大月書店、1993年)
- 『まちと暮らしの京都史』(文理閣、1994年)
脚注