天市垣(てんしえん)とは、古代中国天文学において天球上を3区画に分けた三垣の下垣。房宿・心宿・尾宿・箕宿・斗宿より北の区域。あるいはその主体となった星官(星座)のことを指す場合もある。
星官
星官としての天市垣は、天における市場を囲う藩垣(城壁)の形を象っており、その中枢には帝座が位置する。
- 帝座 - ヘルクレス座α1・α2星(ヘルクレス座α星)。
- 東藩11星(宋・南海・燕・東海・徐・呉越・斉・中山・九河・趙・魏) - へびつかい座η星、へび座ξ星、へびつかい座ν星、へび座η・θ星、わし座ζ星、ヘルクレス座112番・ο・μ・λ・δ星。
- 西藩11星(韓・楚・梁・巴・蜀・秦・周・鄭・晋・河間・河中) - へびつかい座ζ・ε・δ星、へび座ε・α・δ・β・γ星、ヘルクレス座κ・γ・β星。
東藩を「左垣墻」、西藩を「右垣墻」ともいう。
天区内の星官
天市垣には以下のような星官がある。
脚注