塩化ルビジウム(えんかルビジウム、rubidium chloride)は組成式RbClで表されるルビジウムの塩化物である。
製法
ルビジウムを主とする天然鉱物はほとんど見出されず、リチア雲母などの鉱物に少量含まれ、リチウム塩あるいはセシウム塩製造の際、不純物から副産物として得られる。
炭酸ルビジウムを塩酸に溶解し濃縮すると結晶が析出する[2]。
![{\displaystyle {\ce {Rb2CO3\ + 2HCl -> 2RbCl\ + CO2\ + H2O}}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/995faacae90aab77e8ee503f06fed23dc38e78c6)
性質
無色の結晶であり、室温では6配位の塩化ナトリウム型構造をとり、その格子定数はa = 6.54Å、Rb−Cl結合距離は3.29Åである[3]。しかし−190℃では8配位の塩化セシウム型構造をとるようになる。
水および液体アンモニアに易溶性であるが、メタノールには25℃で飽和溶液100g中に1.32gの溶解度であり、アセトンでは18℃で飽和溶液100g中に2.1×10−4gしか溶解しない[4]。
塩化リチウムと複塩を生成する。
![{\displaystyle {\ce {LiCl\ + RbCl -> RbLiCl2}}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/45d44e57f4ef93db7a7128f89ff771444f82b7e8)
脚注
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
- ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ 日本化学会編 『化学便覧 基礎編 改訂4版』 丸善、1993年