北濃駅(ほくのうえき)は、岐阜県郡上市白鳥町歩岐島(ほきじま)にある、長良川鉄道越美南線の駅で[2][3]、同線の終着駅である[4][5][6]。駅番号は37。
美濃太田駅から延び、福井県の越美北線と結ばれる予定で建設された越美南線は、構内北側に車止めが設置されており、線路が途切れている。
歴史
駅構造
島式ホーム1面2線を有する地上駅。2線のうち駅舎側では無い方の1線が使用されている。木造駅舎を備える。
無人駅[4]。2019年9月に「終着北濃駅」(飲食店[12])が開店した。
以前は越美南線の終着駅として蒸気機関車給水等の設備や貨物列車用引込線もあり、駅員も配置されていた。
夜間滞泊は行われておらず、この駅に到着した最終列車(土・休日ダイヤの場合はその1本前)は美濃白鳥まで回送される。
駅スタンプ
長良川鉄道では、国鉄時代の「わたしの旅キャンペーン」のスタンプを復刻したスタンプラリーと1日乗車券セットを2022年より発売(発売額は通常の1日乗車券と同額)している。この駅のスタンプも用意されているが、無人駅であるため、美濃白鳥で押印することとなる。
転車台
駅構内北側には蒸気機関車の向きを変える転車台が残っており[4]、これは蒸気機関車が現役だった1960年代終わり頃まで使用されており、長良川鉄道発足後も使用された時期がある[注釈 1]。この転車台は1902年にアメリカン・ブリッジで製造されたもので[13][14]、当初岐阜駅に設置され[13]、越美南線が当駅まで延伸開業した1934年にここに移設された[14]。直径15.4mの円形をしており、機関車の載った橋桁を2人で押して回転させる手動式である[14]。大井川鐵道千頭駅にある転車台(1897年・イギリス製)に次ぐ日本国内では2番目に古いものとなっている[13]。2002年に地元住民で保存会が結成され、2004年には展示・保存を開始した[14]。2005年7月12日には国の登録有形文化財に登録された[14][15]。なお陸運局の書類上は現役設備である。
利用状況
年度
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乗車人員
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降車人員
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貨物発送トン
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貨物到着トン
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1934 |
19,469 |
19,940 |
9,166 |
670
|
1935 |
20,434 |
21,755 |
14,704 |
2,900
|
|
|
|
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|
1955 |
106,657 |
80,849 |
14,945 |
8,360
|
1956 |
129,214 |
88,986 |
18,020 |
12,293
|
1957 |
149,100 |
98,875 |
12,919 |
81,726
|
1958 |
160,585 |
94,148 |
12,400 |
69,478
|
1959 |
116,572 |
73,216 |
13,280 |
87,324
|
1960 |
53,550 |
29,788 |
5,524 |
45,880
|
1961 |
70,544 |
51,429 |
902 |
2,782
|
1962 |
86,482 |
69,011 |
4,755 |
33,160
|
1963 |
79,924 |
59,207 |
4,044 |
63,754
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年度
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1日平均乗車人員
|
2011年(平成23年) |
24
|
2012年(平成24年) |
19
|
2013年(平成25年) |
12
|
2014年(平成26年) |
21
|
2015年(平成27年) |
12
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駅周辺
当地付近はかつて郡上郡北濃村(→郡上郡白鳥町→郡上市白鳥町)の中心地であった。駅名はかつての村名と美濃国の北端に由来している。
バス路線
郡上市自主運行バス(白鳥交通)が美濃白鳥駅・ひるがの高原・石徹白()方面に運行している。
福井県との県境に近く、美濃白鳥駅同様、路線バスを乗継いで西日本旅客鉄道(JR西日本)越美北線(九頭竜線)九頭竜湖駅まで出ることが可能である(但し、途中に8km程度の徒歩区間を含む)[17]。
2021年には、「越美北線と乗り合いバスに乗る運動を進める会」(福井市・大野市等で構成)が当駅から九頭竜湖駅までをバスで辿る企画ツアーを実施した[3]。
その他
隣の駅
- 長良川鉄道
- ■越美南線
- 白山長滝駅(36) - 北濃駅(37)
脚注
注釈
- ^ 「週刊鉄道絶景の旅」No.38 (集英社、2010)には「昭和44(1969)年1月の同線無煙化まで使用された。その後は休止状態のまま残されていたが」としか書かれていない(p.20、文章は徳田耕一)。対して「全線全駅鉄道の旅」6 『中央・上信越JR私鉄2200キロ』(小学館、1991)の長良川鉄道について執筆された箇所には「ここまでやって来るレールバスの殆どが、この転車台で方向転換を行う。車輪やレールの片寄った摩耗を防ぐための措置と言う」とある(p.201、文章は松尾定行)。転車台横に掲げられた説明(「郡上市白鳥町観光協会」と「北濃駅の転車台を保存する会」による)にも長良川鉄道時代に使用があったことが書かれてあり、期間や効果はともかく長良川鉄道開業後も-また文献の刊行年から見て、恐らく平成になってからも-使用実績があったことは確かである(出典文章は原文のまま)。
出典
参考文献
関連項目
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外部リンク