この項目では、物理・化学現象における凝固について説明しています。血液が固まる現象については「凝固・線溶系 」をご覧ください。
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凝固 (ぎょうこ、英 : solidification, freezing )とは、物理 、化学 で液体 が固体 になるプロセス のこと。
相転移 の一つ。融解 と反対の意味を示す。また、凝固が起こる温度 を凝固点 と呼ぶ。水 の場合は氷結 と言う言い方のほうが一般的である。純粋に温度 変化 によって固体に変化することを凍結 と言う。ヘリウム を除く全ての液体が凍結することが知られており、絶対零度 下でも凍結しないものは高圧をかけなければ凍結しない。多くの物体では凝固点 と融点 が同じ温度であるが、物によっては差が生じ、寒天 は85度でとけだし、40度から31度で固まる。
化学変化 によってコロイド溶液 がゲル化 するなどして固化 することや、タンパク質 のコロイド溶液が凝集 したり熱変性 によって固まることなども凝固と呼ばれる。揚げ油を廃棄の為にゲル化剤 を用いて固体にすることや、牛乳にレモンを入れるとタンパク質が沈殿することがこのことにあたる。
結晶化
凝固点で温度が保たれる様子
多くの液体は同質の液体から結晶性固体を形成、結晶化 し凝固する。
これは熱力学第一法則 の相転移であり、熱伝導性の悪い空気によって断熱された閉じた系において、固体と液体が共存して存在する場合、固体になるときに放出される凝固熱によって凝固点で温度が一定に保たれる[ 1] 。完全に固体相のみになると再び系の温度は低下していく[ 2] 。
結晶化は主に「核形成」と「結晶成長」の二つの過程からなる。核形成は、数ナノメートル程度の大きさのクラスター を作る段階である。 結晶成長は核形成後の核から結晶が成長していく段階である。
過冷却
過冷却、固化が起きると温度が凝固点で一定になる
熱力学の第二法則 にもかかわらず、純粋な液体の結晶化には、均質核生成 [ 注釈 1] の高い活性化エネルギー を超える必要があるため、一度凝固点より低い温度になる。これを過冷却 と呼ぶ。
この状態は固体と液体との境界 面の構造である。外部の温度が低いと、中心となる部分のエネルギーを外部に開放するだけの表面エネルギー をまかなえず凝結は前進しなくなる。この場合安定凝結になるためには充分なエネルギーを供給できるほど低温であるか、外部からの刺激要因がないと凝固がはじまらない。それらの要因として、固体、不純気体 、固体の結晶化前、その他の凝縮のようなものの表面での不規則の存在によって、雑多な凝縮が起こるかもしれず、何らかのエネルギーが解放され部分的な境界面の破壊が起こると、そこから表面エネルギーを得て過冷却が起こる点は融解点に近くなる。
水の標準気圧 での融解点は0℃付近であり、一般的には凝固点もそれに非常に近い、しかし核生成されてない水では-40℃付近までは過冷却させられる[ 3] [ 4] 。高気圧下(2000気圧)では-70℃付近まで過冷却が可能である[ 5] 。
ガラス化
硝子 やグリセロール などの一定の物質は結晶化なしに硬質化する。これをガラス化 と呼び、このようなプロセスで生成される物体 は非晶質固体 と呼ばれる。
無定形の物体はポリマー 物体と同様に上手く凝固点で凝固できず、特定の温度で急激に変化することはない。その代わり融点付近の温度範囲で粘弾性の特徴である緩やかな変質をおこなう。これらの物体はガラス転移点 で特徴付けられ、変異点に節がなく緩やかなS字を描く。
脚注
注釈
^ 液体状態からなんの下地もないところで固体ができる現象
出典
関連項目
外部リンク