中野 慎詞(なかの しんじ、1999年6月8日 - )は、岩手県花巻市出身の競輪選手、自転車競技選手。日本競輪選手会青森支部所属(登録地は岩手県)。日本競輪選手養成所(以下、養成所)第121期生。師匠は佐藤友和(88期)。ホームバンクは紫波自転車競技場。
来歴
岩手県立紫波総合高等学校在学中の2017年にジャパントラックカップ、高校総体、国体で優勝を果たすなど、早くから注目される。
高校卒業後は早稲田大学スポーツ科学部に進学。大学在学中も自転車競技で実績を残し、アマチュアながら日本自転車競技連盟よりトラックレース短距離強化指定選手「A」指定選手(ポディウム)を受けた(なお、現在はワンランク下の「B」(アカデミー)指定)[1]ほか、2020年には新田祐大率いる自転車競技ナショナルチーム「ドリームシーカー」にも加入し、来る2024年のパリオリンピックを目指すことになった[2]。
大学在学中に[3]養成所第121回選手候補生入所試験を受験し、2021年1月合格[4]。養成所に入所[5]後は、第2回記録会でゴールデンキャップを獲得[6][7]するなど競走訓練で優秀な競走成績を収めた。養成所が定める早期卒業者要件を満たしたことで、早期卒業候補者として選定され[8]、自身も早期卒業する意思を示したことで、12月に競輪選手資格検定を受験。同試験に合格したことで、2021年12月17日に太田海也とともに早期卒業認定され[9]、22日に早期卒業証書授与式が行われ、他の同期に先駆け年内で養成所を卒業した[10]。
2022年1月1日、前橋FIIにてデビュー。デビュー戦で初勝利を挙げた。前橋FIIは3日間とも1着で完全優勝しただけでなく、続く取手FII、立川FIIと3場所完全連続したことで2月13日付でA級2班に特別昇班[11]。さらに平塚FII、いわき平FIIと連続完全優勝し15連勝を記録。4月14日からの青森FIでも完全優勝しデビュー戦から18連勝(6場所連続完全優勝)を達成、翌4月17日付にてS級2班へ特別昇級を果たした(デビュー戦から105日)[12]。A級3班によるチャレンジレースを導入した2008年1月以降において、本格デビュー場所から負けなしの6開催連続優勝(18連勝)でS級特別昇級を果たしたのは史上6人目[13]、また早期卒業者では寺崎浩平以来2人目の快挙であった[14]。6月24日、函館FI(ナイター)でも完全優勝し、2008年1月のチャレンジ戦導入後では新記録となる、デビューから無傷の21連勝を達成した[15]。さらに8月14日の静岡FIでも完全優勝したことでデビュー以降27連勝となり、チャレンジ戦導入以降(但し、記録上は1997年以降)では山口拳矢が持っていたルーキーシリーズも含む26連勝の記録も更新した[16][17]。9月8日からの青森記念でGIIIに初参戦、準決勝まで3連勝とし通算30連勝としたが、9月11日の決勝戦では9着となり、連勝記録も止まった[18]。ただ、最終的に同年は、新人としてはトップとなる2135万7000円もの賞金を獲得した[19]。
2023年3月17日、2023UCIトラックネーションズカップ(英語版)第2戦(カイロ)・3日目の男子ケイリンにおいて、自身初のメダルとなる金メダルを獲得した[20]。
2024年パリオリンピックの自転車競技では、男子4000メートル団体追い抜き予選に今村駿介、窪木一茂、橋本英也とともに出場したが、3分53秒489のタイムで10位となり予選敗退となった[21]。男子ケイリンでは決勝に進出し、最終コーナーで中野を含む3選手が競り合っていたが、接触により3人とも転倒して落車し最終順位は4位となった[22]。
主なタイトルと記録
- 静岡競輪場バンクレコードタイ記録(10秒8) - 2022年8月13日[23]
- デビュー以降最多連勝記録(30連勝。2008年1月からのチャレンジ戦導入以降) - 2022年9月10日
主な実績
いずれもアマチュア時代の実績[24]。
2017年
2018年
2019年
2020年
- 全日本学生選手権自転車競技大会 個人スプリント 優勝
- 全日本大学対抗選手権自転車競技大会 個人スプリント 優勝
- 全日本自転車競技選手権大会 チームスプリント 2位
脚注
外部リンク