トリアコンタノール (C30)とパルミチン酸 (C16)によるトリアコンタニルパルミチン酸
ワックスエステル (Wax ester)とは、蝋 (ワックス)の化学的な表記。
炭素数10から12以上の長鎖脂肪酸 と、同じく8以上の脂肪族アルコール がエステル 結合した、長い鎖状の分子構造を持つ[ 1] 。
栄養学 的な脂肪 、つまり長鎖脂肪酸が3価アルコールのグリセリン にエステル結合したトリアシルグリセロール と異なり、ヒト は消化 できず油脂瀉下 を引き起こすことがある一方、皮脂腺 で作られる脂質 の主成分[ 2] でもある。
クジラ や深海魚 (オレンジラフィー 、バラムツ 、アブラソコムツ 、クロマトウダイ 、ヒョウマトウダイ など)に多く含まれ[ 3] 、浮力調節とエネルギー貯蔵を兼ねていると考えられている。
アシネトバクター 属の細菌 では、エネルギー貯蔵に用いられている[ 4] 。
カイアシ類 やミドリムシ などのプランクトン でも見られ、一部では化石燃料 の代替研究が行われている。
植物では、ホホバ の種子から得られるホホバオイル が利用されている[ 5] 。皮膚に塗布した時の使用感は、ホホバオイルとオレンジラフィー油では違いは分からない[ 6] 。
出典
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魚類:異常脂質 自然毒のリスクプロファイル 厚生労働省
^ Lampe, M.A.; A.L. Burlingame, J. Whitney, M.L. Williams, B.E. Brown, E. Roitman, and M. Elias (1983). “Human stratum corneum lipids: characterization and regional variations”. J. Lipid Res. 24 : 120–130.
^ D. Buisson and S.F. Hannan. “Studies on Wax Esters in Fish ”. New Zealand Institute of Chemistry. 2012年7月10日 閲覧。
^ Fixter, Nagi, McCormack, Fewson, J. Gen. Microbiol., 132, 3147-3157(1986)
^ ホホバオイル 皮革用語辞典 日本皮革産業連合会
^ 清水太基、平野諒、韓力、山之内智、柴田雅史「オレンジラフィー油の化粧品用オイルとしての性能解析」『色材協会誌』第90巻第8号、2017年、268-274頁、doi :10.4011/shikizai.90.268 、NAID 130006101542 。