ヴィアダーナは、初期バロック音楽の通奏低音の技法の発展や、数字付きバスとして知られるその記譜法において、重要人物である。この手法はヴィアダーナの発明ではなかったが、幅広い売れ行きを誇った曲集《通奏低音つきの100の教会コンチェルトCento concerti con il basso continuo 》(1602年ヴェネツィアにて出版)において、最初に出版譜に数字付きバスを用いたのがヴィアダーナであった。アゴスティーノ・アガッツァーリは1607年に、論文の中でこの新しい記譜法の解釈の仕方について述べているが、少なくとも進歩的なイタリア音楽の中心的都市では、その頃までには演奏家たちがこの新しい手法を明らかに学び取っていた。
ヴィアダーナはほとんど宗教曲だけを作曲した。ミサ曲、詩篇唱、マニフィカト、モテット、エレミアの哀歌などである。だが、2巻のカンツォネッタと、8声の器楽曲集《合奏曲集Sinfonia musicali 》も遺されている。初期作品は明らかにルネサンス音楽様式によっており、厳格なアカペラ様式と、声部間のバランスのとれた練れたポリフォニーが特徴的である。だが、1602年以降は、頻繁なコンチェルタートの楽句や、通奏低音の常用によって、いよいよ初期バロック音楽様式で作曲されている。とりわけ後期作品においては、モノディ様式も利用され、例えば作品27の《詩篇集》ではヴェネツィア楽派の進歩的な複合唱様式も採用されている。そのうえ、後期作品のいくつかには、後世の協奏曲様式を先取りする要素もある。楽器編成は指定されていない(まだそうした習慣は広く行われていなかった)ものの、声楽グループと器楽グループの間で出たり引っ込んだりのやりとりが行われている。