レグア表記の里程標(スペイン、ハエン県 の町バイレン)
レグア (スペイン語: legua、ポルトガル語:légua)は、スペイン語 ・ポルトガル語圏 で使われた距離の単位である。日本語ではレグワ とも書く。古代のガリア人 が用いたレウカ(レウガ)が元で、イギリスのリーグ と同語源である。現在のスペインでは5572.7メートル 、ポルトガルで5000メートル。距離は国と時代によって異なるが、だいたい4キロメートルから6.6キロメートルの範囲におさまる。
1レグアの距離
グアテマラ - 約4キロメートル
アルゼンチン・ウルグアイ - 約5196メートル
ポルトガル・コロンビア - 5000メートル
スペイン - 約5572.7メートル
ブラジル - 6600メートル
メキシコの一部 - 1時間の行程
スペイン語圏のレグア
レウカはもともとガリア人 の距離の単位で、レウガともいい、1500歩に相当する。1000歩を1ミリアリウム と数えた古代ローマ 人は、1レウガを1.5ミリアリウムとしてこの単位を取り込んだ。約2.2キロメートルである。これがスペイン語・ポルトガル語のレグアの元になったのだが、1レグアが3マイル (スペイン語ではミジェ、mille)と倍になった。また一般に、徒歩で1時間に進める距離と解されるようになった。
ここまでの経緯は他の欧州諸語も同じで、綴りが変わっても相互に自国語の単語に訳すのが普通である。すなわち、スペイン語では英語 圏のリーグ (league) をレグア・インペリアル (帝国レグア、legua imperial) 、フランス語 のリュー (lieue) をレグア・フランセサ(フランスのレグア、legua francesa)と呼ぶ。
スペインの1レグアは古くは5000バラ (約4.19キロメートル)とされたが、時代と地域により違いがあった。レグアは公式には1568年 に廃止されたが、メートル法 の導入と普及までその後も広く使われた。後代のスペインは里程をレグアで測り、1レグアを2万ピエ (5572.7メートル)に換算した。
ラテンアメリカ諸国でも用いられたが、国によって長さが異なる。コロンビア のレグア・グラナディナ (leguna granadina)は、メートル法にもとづく単位で、5000メートルにあたる。メキシコ の一部では一時間に進める距離という元の意味そのままで使われ、地形や交通手段で異なる距離を指す。アルゼンチン でも日常語でそのような語感が残るという。しかしどの国でもキロメートル表示が普及しており、あまり使われなくなっている。
航海用のレグアは地上と異なり、地球の表面を子午線上で360度で分割して、その緯度 1度 相当分の距離から算出する。メートル法は子午線 の長さを4万キロメートルと数えたので、緯度1度に相当する子午線弧 長は約111キロメートルである。この距離を17.5で割ったものを1レグア(約6.3キロメートル)としたり、20で割ったものを1レグア(約5.6キロメートル)としたりした。これを「1度あたり17半のレグア (legua de diecisiete y medio al grado) 、「1度あたり20のレグア (legua de veinte al grado)」と呼んで区別した。スペインでは17世紀頃に17.5から20になったという。他に1度15、1度18、1度25のレグアも使われた。
ポルトガル語圏のレグア
ポルトガルのレグアも時代と地域により異なる。現在のレグアはメートル法にもとづき、ポルトガル で5000メートル、ブラジル で6600メートルにあたるものである。
参考文献
関連項目