ヨウ化パラジウム(II)(Palladium(II) iodide)は、パラジウムとヨウ素からなる無機化合物で、化学式はPdI2である。塩化パラジウム(II)ほど一般的ではないが市販されており、パラジウム化学の出発点の1つとなっている。
かつては、ヨウ化パラジウム(II)として沈殿させることにより、サンプル中のパラジウム量を重量測定で決定していた。塩化物や臭化物と異なり、ヨウ化パラジウム(II)は過剰量のヨウ素にそれほど溶解しない[1]。
性質
ヨウ化パラジウム(II)自体は水に不溶であるが、過剰量のヨウ素が存在すれば、PtI42-アニオンを形成するため、溶解する。溶液中では、いくつかの有機反応の触媒として働く[2]。
出典
- ^ Beamish, F. E.; Dale, J. (1938). “Determination of Palladium by Means of Potassium Iodide”. Industrial & Engineering Chemistry Analytical Edition 10 (12): 697. doi:10.1021/ac50128a015.
- ^ Gabriele, Bartolo; Salerno, Giuseppe (2006), “Palladium(II) Iodide” (英語), Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (American Cancer Society), doi:10.1002/047084289x.rn00658, ISBN 978-0-470-84289-8, https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/047084289X.rn00658 2021年3月26日閲覧。