ヨウジウオ(楊枝魚、Syngnathus schlegeli)は、トゲウオ目ヨウジウオ科ヨウジウオ属に属する魚。種小名の schlegeli は、ヘルマン・シュレーゲルへの献名である。
分布
琉球列島を除く日本各地の沿岸域に分布。アマモ等の海草が生い茂る場所に棲む。
特徴
体長は最大で30cm近くになる。体は細長く、海草の間へ入り込むのに都合の良い形をしている。
近縁のタツノオトシゴに近い顔つきだが、口先がより長く伸びている。
尾鰭は扇子のような形をしており、海草に尾鰭や細長い体を巻き付けている時がある。
生態
体型を活かして海草の中に溶け込むように入り、外敵から身を守る。動作はタツノオトシゴよりも機敏で泳ぐのも活発だが、それでも泳ぐよりはじっとしている方のが好きなようで、海草の林や千切れた海草のゴミの中に棲み着いている。
肉食性で、長く突き出た口先でプランクトン、小魚、甲殻類等を捕食する。
繁殖
本種はタツノオトシゴと同様、雄が出産する魚として有名である。雌は繁殖期に、雄の育児嚢に800 - 1000個ほどの卵を産み付ける。雄は卵を守り続け、卵は数週間後に孵化する。
利用価値
体が細長く肉が少ない事に加え、体表も骨も硬いため、食用としての価値はない。
風変わりな姿で、水族館などで飼育されたり、熱帯魚屋にペット用として出回ることもある。
脚注
関連項目