トゥルク大聖堂, フィンランド最古の教会であると同時に、首座監督が在住するフィンランド福音ルター派教会の霊的指導の中心地である。
フィンランド福音ルター派教会 (フィンランド語 : Suomen evankelis-luterilainen kirkko , スウェーデン語 : Evangelisk-lutherska kyrkan i Finland , 英語 : Evangelical Lutheran Church of Finland )は、フィンランド正教会 と同様にフィンランド の国教 と位置づけられている。フィンランド国民の 約80.6 % がフィンランド福音ルター派教会員である [1] 。
歴史
スウェーデン統治時代 の1527年、宗教改革 が導入され始めた。1809年までフィンランド のキリスト教会はスウェーデン国教会 の一部であった。第二次ロシア・スウェーデン戦争 の結果、スウェーデン によるフィンランド支配は終わり、1809年、ロシア皇帝 アレクサンドル1世 がフィンランド大公 となり、フィンランドを立憲君主制 の大公国とした。内政はフィンランド人 が担当し、公用語はスウェーデン語 、後にフィンランド語 が追加された。フィンランド大公国 が成立すると、ロシア皇帝 アレクサンドル1世 はポルヴォー議会 を開催し、フィンランド福音ルター派教会の法的地位を承認した。1817年、トゥルク の監督がフィンランド教会の首座監督の地位に上がった。19世紀になると、敬虔主義 や保守的信仰による様々な信仰覚醒運動 が起こった。当初教会はこれらの運動を否定的に見なしたが、1869年には信仰覚醒運動関係の集会を禁止した総会決議を無効にし、これらの信徒運動を地域教会共同体に取り込んだ。フィンランド独立後、1923年に信教の自由 がフィンランド憲法に定められた。現在では国教会であるフィンランド福音ルター派教会から離脱して、他の教会に加入することも可能である。
教会の社会的重要性
教会離脱者数 (紫色)と教会加入者数(黒色)。幼児洗礼と死亡は対象外
2008年末、フィンランド福音ルター派教会の教会員数は4,294,199 人であった[2] 。信仰を告白しているフィンランド国民の97 %以上がフィンランド福音ルター派教会に加入している。ただし、教会所属者における圧倒的優位はここ数年来衰えている。とりわけ2003年における教会離脱法制定以後、国民の14.7%が非信仰者になった[3] 。さらに、週ごとに礼拝に出席する者は教会員総数の2%に過ぎない。約10%が月に1度教会に通う[4]
大半の信仰者はクリスマス 、復活祭 のような重要な行事か家族の洗礼、結婚、葬儀の機会においてのみ教会の礼拝に出席している。しかしながら、フィンランド国民から教会は高い尊敬を受けており、とりわけ地方において大切な社会的ネットワークとして存在している。農村地域において、信仰覚醒運動 が教会共同体の生活を支え、支配している。フィンランド北部において、敬虔主義が広く浸透している。フィンランド全体で約120,000人の支持者がいる[5] 。とりわけ、サボーとポフヤンマー県 は敬虔主義グループが強い支持を受けている。
教会組織
フィンランド福音ルター派教会は現在9つの教区で構成されている。1276年に設立されたトゥルク 教区が最も歴史があり、今日においても最も高い権威を有している。トゥルク教区の監督はフィンランド福音ルター派教会の首座監督である。
ポルヴォー 教区はスウェーデン系フィンランド人 信徒の多い重要な場所である。
フィンランド福音ルター派教会の教区一覧:
フィンランド福音ルター派教会はルター派世界連盟 に加盟しており、エキュメニカル 教会協議会(ÖRK)と欧州教会会議(KEK)にも属している。フィンランド福音ルター派教会はポルヴォー・コミュニオン にも加盟している。
テンペリアウキオ教会内部
著名教会
Juha Leiviskä: ミュールマキ教会
脚注
^ Evangelisch-Lutherische Kirche Finnlands
^ [1]
^ Statistics Finland
^ International Religious Freedom Report 2004 (U.S. State Department)
^ Luentosarja lestadiolaisuudesta 8. März 2000
^ “Särkiö, Pekka Juhani ” (英語). The Finnish Defence Force . フィンランド国防軍 . 2020年11月10日 閲覧。
^ フィンランドの軍事監督(あるいは従軍監督)は特殊な事例で、あくまで軍制のなかの階級であり、実際の司教とはみなされていない。他の国の軍事教区とは異なり、軍事監督は教区を治める者ではなく、聖職者はそれぞれの教区の司教の管轄下に置かれている。
参考文献
Simo Heininen, Markku Heikkilä: Kirchengeschichte Finnlands. A. d. Finn. von Matthias Quaschning-Kirsch, Vandenhoeck & Ruprecht, 2002.
Jussi Nuorteva: Christentum . In: Olli Alho (Hrsg.): Kulturlexikon Finnland . Finnische Literaturgesellschaft, Helsinki 1998, ISBN 951-746-032-5 , S. 50–53
外部リンク