1875年に作曲され、同年10月31日にパリでサン=サーンス自身のピアノ、エドゥアール・コロンヌの指揮でコンセール・シャトレ芸術協会(Association Artistique des Concerts du Châtelet)の最初の演奏会において初演された。音楽的な観点から見れば、5曲のピアノ協奏曲の中でも成功した部類に入り、サン=サーンスの器楽作品の中でもコンサートなどで取り上げられることが多い作品である。ピアノと管弦楽の対等な扱いの中で交響的な構築が目指されており、実際に素材の一部は1854年に書かれた交響曲のためのスケッチから転用されている。
Stepehen Hough, City of Birmingham Symphony Orchestra, Sakari Oramo "Camille Saint-Saëns: The complete works for piano and orchestra" (Hyperion, CDA67331/2)のCD解説書(Phillip Borg-Wheeler, 2001) https://www.hyperion-records.co.uk/dc.asp?dc=D_CDA67331/2&vw=dcで閲覧可能。