バスケットボールにおいてパス (Pass) とは、ボールを保持している選手が、ボールを他の選手に投げ渡すプレー。以下の分類を組み合わせて、パスの種類を表現することが出来る。
手による分類
- ワンハンドパス(one hand)
- 片手で行うパス。間にディフェンスがいる場合によく使われる。
- ボースハンドパス(both hand)
- 両手で行うパス。強さ、正確さを求めたパス。
投法による分類
- チェストパス(chest)
- 胸の位置から両手で押し出す、最も基本的で確実なパス。
- サイドハンドパス(side hand)
- 手のひらを投げる方に向けボールを押すように出すパス。あるいはサイドスローで体から離れた位置から出すパス。敵選手と接近している場面で相手の脇を通すパス。
- サイドスナップパス(side snap)
- 体の向きを変えずに横方向に両手で素早く出すパス。
- ショルダーパス(shoulder)
- オーバースローで肩の位置からボールを押し出すパス。手を頭の後ろまで引いて投げるパスを「ベースボールパス」(baseball)、もう一方の手を添えて素早く投げるパスを「クイックショルダーパス」(quick shoulder)と呼ぶ。
- オーバーヘッドパス(over head)
- 頭の上のから両手で出すパス。
- フックパス(hook)
- 頭の上から、腕とは反対の横方向に片手で出すパス。
- アンダーハンドパス(under hand)
- アンダースローによるパス。ソフトボールの投手のようなパス。ドリブル動作からそのまま素早くパスを出すこともできる。「アンダーパス」とも呼ばれる。
- タップパス(tap)
- 空中にあるボールを手ではたいて行うパス。
ボールの軌道、方向による分類
- バウンズパス(bounds)
- ボールをコートに跳ね返らせ(バウンド)受け手に到達するパス。「バウンスパス」(bounce)とも呼ばれる。
- ループパス(loup)
- 山なりの軌道のパスのこと。敵の後ろにいる味方へパスを出すときなどに使う。「ロブパス」(rob)とも呼ばれる
- ビハインドパス(behind)
- 背中を通して出すパス。ビハインド・バック・パスとも呼ばれる。
目的、技法による分類
- インバウンズパス(inbounds)
- スローインのためのパス。バスケットでは片手で投げても良い。
- アシストパス(assist)
- 得点を得やすい位置にいる受け手に送り、得点に直接寄与するパス。
- ランニングパス(running)
- 走りながらパスを受け、ドリブルせずにそのまま出すパス。
- アウトレットパス(outlet)
- リバウンドを取った選手が、ゴール下の密集地から外に出すパス。うまいアウトレットパスは、ファーストブレイクにつながる。
- レッグスルーパス(leg through)
- ディフェンダーの足の間を通すパス。バウンズパスの場合が多い。
- サイドチェンジパス(side change)
- ボールをストロングサイド(ボールサイド)からウィークサイド(ヘルプサイド)へ大きく動かすパス。オーバーヘッドパスが多い。
- ラップパス(wrap)
- 敵選手と接近している場面で相手の背中を通すパス。
- ポケットパス(pocket)
- 2人の守備の間を通すパス。バウンズパスの場合が多い。ピック・アンド・ロールの場面で多用される。
- アリウープパス(alley-oop)
- アリウープをしようとゴールに向かってジャンプした味方に送るパス。ループパスが多いが、直線的なパスもある。
- 名称不明(ドッジボールパス?)
- 空中でボールを保持し、自身がアウトオブバウンズしそうなとき、相手チームの選手の体に当ててボールがアウトオブバウンズするように投げるパス。
- キックアウトパス(kick out)
- ペイントエリアに切れ込んで、ディフェンダーを引きつけ、ワイドオープンエリアにいるシューターに投げ出すパス。ロングレンジシューターへのパスによく使われる。蹴り出す訳ではない。
- クイックパス(quick)
- パスを受けると同時に、送り出すパス。
- ロングレンジパス(long range)
- ディフェンス側の選手が、バックコートゴール近傍でスティール、リバウンドでボールを奪い、自軍のフロントコートへ走り込んでいる選手へ送る長距離のパス。タッチダウンパスとも呼ばれる。
- ノールックパス(ノンルックパス)
- パスを出す相手を見ないで(向かないで)出すパスのこと。
- エルボーパス(elbow)
- バックパスと見せさせて反対の肘にあてて、逆方向にパスすること(かなりの技術がいる)。
パスの名手
練習法
- 基礎練習
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- 2人対面で、前述の分類にある全種類のパスを反復練習する。初心者の場合、通常チェストパスで胸の前から、相手の胸の前へ完全にマスターする必要がある。慣れてきたら様々な種類を織り交ぜて、繰り返しおこなう。ウォームアップでもおこなわれる。
- 2人対面で、ボールを2個用い一人がバウンズパス、一人がストレートパスを繰り返し、素早く正確なパスとキャッチを習得する。
- 更に進めて、2人の間に一人が手足を開いて立ち、同じ練習をおこなう。ピボットの練習も合わせておこなうことが出来る。
- 応用練習
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- ランニングキャッチ&パスの練習法としては、トライアングルパス、スクエアーパスが知られている。
- マンツーマンでディフェンスされている選手に、Vカット後などへ上手く合わせてパスを出す練習をする。
- バックコートからフロントコートへ、2人から3人で、ダッシュしながらパスを繋ぎ、速攻の練習をする。
- 実践練習
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- 上記に、ディフェンダを付けて、リバウンドから始めて速攻練習をおこなう。
- ハーフコートでのセットプレーの繰り返し練習をおこなう。
関連項目
脚注