『ハープシコード組曲第1集 』（ハープシコードくみきょくだい1しゅう、Suites de pièces pour le clavecin, premier volume [ 注 1] HWV 426-433はゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル によって1710年代に作曲され、1720年 に出版された、8曲から構成されるハープシコード 独奏のための組曲 集。
通称『8つの大組曲集 』(8 Great Suites )とも呼ばれる。
1717年以降の一時期、ロンドン のヘイマーケット劇場 が閉鎖されてオペラが上演できなくなったヘンデルはジェームズ・ブリッジズ （はじめカーナーヴォン伯爵 、1719年からシャンドス公爵 ）に招かれ、今のロンドンのハーロウ区 にあるキャノンズの邸宅に住んで作曲活動を行なった。『ハープシコード組曲第1集』には主にこのキャノンズ時代に書かれた曲を収録している。
1720年前後にアムステルダム の出版者であるジャンヌ・ロジェ(Jeanne Roger, 1701-1722)名義でヘンデルのハープシコード作品集の海賊版が出版された（実際にはロンドンのジョン・ウォルシュ（父）がジャンヌ・ロジェの名を騙って出版したものと考えられている）。ヘンデルはそれを知り、対抗手段としてロンドンのクルーアー(John Cluer)から正規のハープシコード組曲集を出版した。これが第1集である。当時の著作権 は14年間有効というものだったが、この曲集はヘンデルが著作権を行使した最初の作品だった。
題には「組曲」とあるが、伝統的な組曲とは無関係なイタリア式のソナタ楽章や教会ソナタ 形式の曲なども含まれている。
前奏曲 4 ⁄4 アルマンド 4 ⁄4 クーラント 3 ⁄4 ジーグ 12 ⁄8
Adagio 4 ⁄4 Allegro 4 ⁄4 Adagio 3 ⁄4
Allegro 4 ⁄4
前奏曲 (Presto) 4 ⁄4
Allegro 4 ⁄4
アルマンド 4 ⁄4
クーラント 3 ⁄4
エア と5つの変奏 4 ⁄4 Presto 3 ⁄8 合奏協奏曲集 作品3-6 HWV 317やオルガン協奏曲 作品7-4 HWV 309でも使われている。
Allegro 4 ⁄4 フーガ 。
アルマンド 4 ⁄4
クーラント 3 ⁄4
サラバンド 3 ⁄4 ジーグ 12 ⁄8
前奏曲 4 ⁄4
アルマンド 4 ⁄4
クーラント 3 ⁄8
エアと5つの変奏 4 ⁄4 調子の良い鍛冶屋 』の題がつけられた。
前奏曲 4 ⁄4
Largo 3 ⁄4
Allegro 4 ⁄4
ジーグ (Presto) 12 ⁄8
この曲のみは1705年ごろのハンブルク時代の楽章が含まれる。
序曲 4 ⁄4 [ 7] Andante 4 ⁄4 Allegro 3 ⁄8
サラバンド 3 ⁄2
ジーグ 12 ⁄8
パッサカリア 4 ⁄4
前奏曲 (Adagio) 4 ⁄4
Allegro 2 ⁄4
アルマンド 4 ⁄4
クーラント 3 ⁄4
ジーグ 6 ⁄8
第4番のフーガはマヌエル・ポンセ が『ヘンデルの主題による前奏曲とフーガ ニ短調』（1906年）の素材として用いた。
第5番のエアと5つの変奏は『調子の良い鍛冶屋』の題で単独で演奏されることが多い。
第7番のパッサカリアも単独で演奏されることが多い。ヨハン・ハルヴォルセン がヴァイオリン とヴィオラ のための二重奏曲に改変した版もよく知られる。
^ クルーアーはロンドンの出版者だが、題はフランス語で書かれている。ヘンデルはこのフランス語の題を好んだ。
