ハリメデ [ 7] [ 8] (Neptune IX Halimede) は、海王星 の第9衛星 である。
発見と命名
ハリメデは、2002年 8月14日にマシュー・J・ホルマン が率いる観測グループによって、セロ・トロロ汎米天文台 の 4 m 望遠鏡およびマウナ・ケア山 のカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡 を用いた観測で発見された[ 9] [ 10] [ 11] 。発見は、サオ 、ラオメデイア の発見と合わせて、翌2003年 1月13日に国際天文学連合 のサーキュラーおよび小惑星センター のサーキュラーで公表され、S/2002 N 1 という仮符号 が与えられた[ 9] [ 10] [ 11] 。
海王星に新たに衛星が発見されるのは1989年 に探査機ボイジャー2号 が海王星をフライバイした時以来であり、また地上観測による海王星の新衛星の発見は、1949年 にジェラルド・カイパー がネレイド を発見して以来のことであった[ 11] [ 注 1] 。非常に暗く遠方を公転している衛星であるため、ボイジャー2号のフライバイの際には観測できなかったと考えられている[ 1] 。
その後2007年 2月3日に、ギリシア神話 における海の女神であるネレイデス の一人ハリメーデーに因んで命名され、Neptune IX という確定番号が与えられた[ 15] [ 16] 。
なお2004年 になって、1999年 に行われた海王星の観測でハリメデが撮影されていたが、この時には見逃されていたことが判明している[ 17] 。当時の観測では新しい衛星は検出されなかったと報告されていたが[ 18] 、2004年のハリメデの新しい天体暦 に基づき予想される位置にハリメデが写っていることが確認された[ 17] 。
特徴
海王星の不規則衛星の軌道要素を表した図。半径方向の軸は軌道長半径 、角度方向は軌道傾斜角 を表しており、横軸の上にあるものは順行軌道、下にあるものは逆行軌道で公転していることを示している。青い数値は、海王星のヒル球 の半径に対する軌道半径の割合を表している。黄線は近点から遠点 までを示しており、この長さが軌道離心率 の大きさに対応している。また、点の大きさは各衛星のサイズを表している。中心にあるネレイドのすぐ下に位置しているのがハリメデである。
ハリメデは、海王星の自転 方向に対して逆行 して周囲を公転している不規則衛星 である。軌道傾斜角のみを見るとプサマテ とネソ と似ているものの、軌道長半径は大きく異なる[ 17] 。
ハリメデの直径は、アルベド を0.04と仮定すると 62 km と推定される[ 4] 。また可視光 では中間色 (灰色) を示す[ 6] 。色 がネレイド と非常に似ていることや、太陽系 年齢の間に天体衝突を起こした確率が高い (41%) と推定されることから[ 17] 、ハリメデはネレイドの破片である可能性が示唆されている[ 6] 。
脚注
注釈
^ 海王星の衛星ラリッサ は1981年 に地上からの掩蔽 観測で1回だけ検出されているが[ 12] [ 13] 、衛星であることが確定したのはボイジャー2号によって再発見された後である[ 14] 。
出典
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^ “Natural Satellites Ephemeris Service ”. Minor Planet Center . 2024年5月9日 閲覧。 (「Selection of Objects」にて「All Neptunian outer irregular satellites」と「I require Orbital Elements」にチェックを入れて「Get Information」と表示されると海王星の全ての不規則衛星の軌道要素が表示されるが、ここに表記されているのは他の天体からの摂動の影響を除外していない特定の日時を元期とした軌道要素であることに留意)
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