ハダカイワシ目
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トドハダカ(Diaphus theta)
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分類
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下位分類
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本文参照
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ハダカイワシ目(英: Myctophiformes)は、硬骨魚類の分類群の一つ。ハダカイワシ科とソトオリイワシ科の2科で構成され、35属246種からなる。含まれるすべての種類は深海魚で、特にハダカイワシの仲間は数・種類ともに豊富であり、深海の生態系において重要な位置を占めている。
概要
ハダカイワシ目の魚類は全世界の外洋に分布し、水深200m以深の深海を主な生息域とする。水深200~1,000mの中層に住む深海魚としては、オニハダカ属(ワニトカゲギス目)の魚類と並び、種類・数の両面で支配的である。大型深海生物の食料として食物連鎖で重要な地位を占めるほか、夜間に餌を求めて海面近くまで浮上する行動(日周鉛直移動)を通じて、浅海の有機物を深海に運ぶ役割をも担っている。
ハダカイワシ目はかつてヒメ目に含められていたが、鰓周囲の筋肉の付き方が異なること、上咽鰓骨をもつことなどから区別され、現在は単独の目として扱われている。体は左右に平べったく側扁し、口は大きい。脂鰭(あぶらびれ)を持つ。資源量は莫大であるが、深海で浮力を得るために体には水分・脂肪分が多く、食用として利用されることはほとんどない。
分類
ハダカイワシ目はハダカイワシ科とソトオリイワシ科の2科35属246種で構成される[1]。含まれる種の大半はハダカイワシ科であり、ソトオリイワシ科はごく少数である。
ソトオリイワシ科
ソトオリイワシ科 Neoscopelidae は3属6種からなる。太平洋・インド洋・大西洋に分布する。臀鰭の起始部は背鰭よりもずっと後方にある。ソトオリイワシ属のみ発光器をもち、クロゴイワシ属は浮き袋をもつ。体長は最大で30cm程度。
- ソトオリイワシ属 Neoscopelus
- ソトオリイワシ Neoscopelus macrolepidotus
- サンゴイワシ Neoscopelus microchir
- シチゴイワシ Neoscopelus porosus
- クロゴイワシ属 Scopelengys
- クロゴイワシ Scopelengys tristis
- Scopelengys clarkei
- Solivomer 属
ハダカイワシ科
ハダカイワシ科 Myctophidae は32属240種で構成される。北極海・南極海を含む全世界の海洋に分布する。臀鰭の起始部は背鰭の直下か、すぐ後ろに位置する。ほとんどの種類は浮き袋をもつ。1種を除き発光器をもち、体側面や頭部に塊状あるいは列状に配置される。ハダカイワシ亜科および Lampanyctinae 亜科の2亜科に細分されることもある。体長は数cm~20cm。
- イタハダカ属 Diogenichthys
- ウラハダカ属 Notolychnus
- オオクチイワシ属 Notoscopelus
- オオメハダカ属 Protomyctophum
- オジロハダカ属 Idiolychnus
- カガミイワシ属 Lampadena
- キララハダカ属 Loweina
- クロハダカ属 Taaningichthys
- ゴコウハダカ属 Ceratoscopelus
- ススキハダカ属 Myctophum
- セッキハダカ属 Stenobrachius
- ソコハダカ属 Benthosema
- ダルマハダカ属 Electrona
- ツマリハダカ属 Triphoturus
- トミハダカ属 Lampanyctus
- トンガリハダカ属 Nannobrachium
- ドングリハダカ属 Hygophum
- ナガハダカ属 Symbolophorus
- ハダカイワシ属 Diaphus
- ブタハダカ属 Centrobranchus
- ホクヨウハダカ属 Tarletonbeania
- ミカヅキハダカ属 Bolinichthys
- 他10属
参考文献
ウィキメディア・コモンズには、
ハダカイワシ目に関連するメディアがあります。
- ^ Nelson JS (2006). Fishes of the world (4th edn). New York: John Wiley and Sons
外部リンク