ネカマ

ネカマとは、SNS出会い系などオンラインにおける実際にやり取りしている相手の容姿がわからない匿名性を悪用して、特定の女性、または「女性」という性別になりますこと。主に行為者は男性である。他人である特定女性の容姿を悪用せずに「単に女性である」と装うこと及び装っている人、またその行為も含まれる。特定の女性の画像動画等を悪用した「なりすましネカマ」の際は、男性から金品搾取をしていなくても犯罪行為となる[1][2][3][4]。実行者が金品を得ている際にはデジタル版美人局とも言われる犯罪行為であり、電子マネー個人間電子送金を要求する詐欺、男がメッセージのやり取りするネカマ後に対面で金品を脅しとるSNS美人局も広まっている[5][6][7][8]。容姿を悪用された被害者女性らがいる犯罪ケースであるなりすましネカマ犯罪に対しては、特定の他者になりすます行為に対する非親告罪化など法的処罰強化・刑事罰を課すことが求められている[3][4]

問われる罪・刑罰

友人間を含む囮捜査などネカマ行為に使うとの事前に明確な承諾証拠のあるケースを除き、女性[9]の写真や動画等を使用したネカマ行為していた場合は名誉毀損罪侮辱罪信用毀損罪業務妨害罪等にも問われる。他人の写真等を使用し、金銭等の受け取った場合は詐欺罪にも問われる[2][3]。本人が公開等した写真や動画であったとしても、ネカマ行為への悪用は無断転載・無許可使用行為であるために著作権侵害や肖像権侵害などの罪にもなる[10]。送付や投稿したネカマ悪用動画や画像が猥褻な場合は、わいせつ電磁的記録媒体陳列罪にも違反する。金銭等を得ていた場合はわいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布罪(わいせつ電磁的記録有償頒布目的所持罪)、ネカマ悪用された被害者女性が未成年の場合は児童ポルノ禁止法にも問われる[3]

由来・対義語

由来

由来は「ネットおかま」が略語化されて出来た言葉[11][12]で、インターネット以前のパソコン通信時代から用いられている[13]

法学者白田秀彰によれば、インターネットの黎明期から男性が女性を装う事例は存在しており、当時は女性のインターネット利用者が極端に少なかったこともあって女性であると自称しているものがいればまずネカマであるか疑うのが常識であった[14]

対義語

ネカマの対義語として、「女性が男性を装う」ことをネナベという。「ネットおなべ」が略語化されて出来た言葉であり、ネット上で相手の実際の容姿が分からない匿名性を悪用した点でも共通である。しかし、「ネカマ」と異なり、詐欺等の犯罪行為や嘲笑目的に用いられるケースは非常にレアであり、女性バレした際に言い寄らたり、舐められたり(見下されたり)、などの面倒事を避けるための自衛に用いられる[12]

脚注

  1. ^ 浅井 2009.
  2. ^ a b 「政界往来」第66巻,p55 ,2000年。
  3. ^ a b c d 「すぐに役立つ 電子商取引から削除請求まで 図解とQ&Aでわかる 最新 ネットトラブルをめぐる法律とトラブル解決法 」p35-38, 2022年
  4. ^ a b 「脱ネット・スマホ中毒 Ver.2.0:炎上・犯罪に巻き込まれない!SNS時代を生き抜く最新護身術」p62 ,遠藤美季 ,2017年
  5. ^ SNSで女性になりすますデジタル美人局 被害届が出にくい理由”. NEWSポストセブン. 2024年11月19日閲覧。
  6. ^ 激増する「SNS美人局」出会いのカジュアル化で犯人の低年齢化が顕著に。話題の個人間送金の普及も被害増大に拍車をかけるとの見方も”. マネーボイス (2024年11月19日). 2024年11月19日閲覧。
  7. ^ 中2男子「美人局」の手口か SNSで女性を装い誘う 大学生強盗致死事件”. 大阪NEWS | TVO テレビ大阪 (2024年3月12日). 2024年11月19日閲覧。
  8. ^ SNSで女性装い美人局で集団暴行か 高校生含む少年ら6人逮捕”. チバテレ+プラス. 2024年11月19日閲覧。
  9. ^ 自分ではない女性の写真や動画等を使用した場合、加害者側の性別が女性であっても、写真等を悪用された被害者女性に対する「なりすまし」による名誉毀損罪になる。自分ではない写真や動画等を使って、金品授受した場合は詐欺罪にも問われる。
  10. ^ 「すぐに役立つ 電子商取引から削除請求まで 図解とQ&Aでわかる 最新 ネットトラブルをめぐる法律とトラブル解決法 」p39, 2022
  11. ^ ネカマ」『知恵蔵』https://kotobank.jp/word/%E3%83%8D%E3%82%AB%E3%83%9Eコトバンクより2021年5月14日閲覧 
  12. ^ a b 「THECHAT。 」p186 ,椙本孝思, 2006年
  13. ^ 浅井 2009, p. 59.
  14. ^ 白田秀彰 (2005年6月7日). “意思主義とネット人格・キャラ選択時代について”. 白田秀彰の「インターネットの法と慣習」. 2011年11月2日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク

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