サンタ・マリーア・イン・パルミス教会(イタリア語:「パルミスの聖マリア教会」の意」 (Chiesa di Santa Maria in Palmis) は、ローマ南東にある小さな教会である。しかし、この公式な名によるよりも、もっぱら「ドミネ・クォ・ヴァディス(ラテン語:「主よ、どこへ行かれるのですか」の意)教会」 (Chiesa del Domine Quo Vadis ?) としてよく知られている。
1983年ヨハネ・パウロ2世教皇はこの教会を「ローマの歴史と、キリスト教会の歴史にとって特別な重要性を持つ場所」と定めた。他の多くの名高い教会がその声価を建築物としての壮麗さ壮大さによるのに対して、建築物としては平凡なこの教会はその由来、来歴、故事によって広く知られている。
歴史
聖ペトロが、ローマでの迫害から逃れようとしたときに、イエスと会ったとされているのはこの教会が建つ場所である。カトリック教会の古い伝承によれば、ペトロはイエスに「ドミネ、クォ・ウァディス?」("Domine, quo vadis?":主よ、どこへ行かれるのですか?)と尋ね、それに対しイエスは「エオ・ロマム・イテルム・クルキフィギ」("Eo Romam iterum crucifigi":ローマへ再び十字架に架かりにゆく)と答えたとされる。
この教会の正式の名前は上述のように「パルミスの聖マリア教会(Chiesa di Santa Maria in Palmis)」であり、「パルミス」はイエスの足裏を指す。
カトリック教会がこの伝説を承認したのは、インノケンティウス3世がこの故事を真正であると宣言してから後のことであることは、記録する必要がある。インノケンティウス3世のこの回勅は以下の文書に収録されている。
the Decretali di Gregorio IX, book IV, tit. 17, cap. Per Venerabilem. (グレゴリウス 9世の回勅、第 4巻、17編「Per Veneravilem」