セント・ジェームズ宮殿は、現在も使用され、宮廷もこの場所を公的な住所にしている。外国からイギリスへ派遣された大使たちは、バッキンガム宮殿で国王/女王に信任状を奉呈するというのに、いまだ名目上は「セント・ジェームズ宮廷の下」(près la Cour de St. James)に派遣されたことになっている。2022年9月8日にエリザベス2世が崩御した2日後に王位継承評議会(英語版)が開催され、後継者チャールズ3世の公式な即位が布告されたのもセント・ジェームズ宮殿においてであった[1]。そのためダウニング街を首相府の代名詞に使用するように「セント・ジェームズ宮殿」は王室の代名詞である。宮殿は、アン王女とアレクサンドラ王女(ケント公ジョージの長女。エリザベス2世の従妹)のロンドンでの住居とされている。宮殿の形体は、不規則に広がった建物が宮廷オフィス、公用棟として建つ。混合部分には、かつてプリンス・オブ・ウェールズ時代のチャールズ3世と息子のウィリアム王子、ヘンリー王子が住んでいたヨーク・ハウス、イギリス政府が公式歓迎式典用に使用していたランカスター・ハウスがある。かつてエリザベス王太后が住み、のちプリンス・オブ・ウェールズ邸となったクラレンス・ハウスが近くにある。