ズリーン/オトロコヴィツェ・トロリーバス

ズリーン/オトロコヴィツェ・トロリーバス
ズリーンのバス停で並ぶトロリーバス(2020年撮影)
ズリーンのバス停で並ぶトロリーバス(2020年撮影)
基本情報
 チェコ
ズリーン州の旗ズリーン州
所在地 ズリーンオトロコヴィツェチェコ語版
種類 トロリーバス
路線網 14系統(2021年現在)[1]
開業 1944年[2][3]
運営者 ズリーン/オトロコヴィツェ交通会社チェコ語版[2][3]
路線諸元
路線図(2020年時点)
太線:トロリーバス
破線路線バス
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この項目では、チェコの都市であるズリーンオトロコヴィツェチェコ語版を結ぶトロリーバスチェコ語: Trolejbusová doprava ve Zlíně a v Otrokovicích)について解説する。第二次世界大戦中の1944年に開通し、2021年現在はズリーン/オトロコヴィツェ交通会社チェコ語版(Dopravní společnost Zlín-Otrokovice, s.r.o.、DSZO)によって運営されている[2][3]

歴史

チェコスロバキア(現:チェコスロバキア)における本格的なトロリーバスの導入は1936年プラハプラハ・トロリーバス)から始まり、以降複数の都市に導入されたが、第二次世界大戦の勃発に伴いその動きは停滞した。その一方で大戦期にはガソリンを始めとする液体燃料の不足により路線バスは営業運転の大幅な制限を余儀なくされ、公共交通機関の拡充が求められるようになった。それを受けてズリーン市議会は路線バスに代わりトロリーバスを導入する事を検討し、1942年に認可が下りたのち、翌1943年から工事が開始された。営業運転を開始したのはナチス・ドイツの占領下であった1944年1月27日である[2][3][2]

開通同年の11月27日空襲により発電所や一部区間の架線を始めとする各所に大きな被害が生じたものの、翌1945年の解放後は順次復旧が行われた。その後は一部区間の廃止が行われたものの、1947年には新たな路線の開通が行われた。一方、終戦後に課題となったのは近隣地域のオトコロヴィツェチェコ語版の間を結ぶ公共交通機関であった。当時、オトロコヴィツェは住宅地の建設が進んでおり、需要が増加していたが、両都市を結ぶ鉄道路線は運行本数が少なく、より高頻度かつ利便性の高い交通機関が求められていた。そこでトロリーバスをオトロコヴィツェ方面へ延伸することが決定し、チェコスロバキア国鉄からの反対もあったが最終的に1948年マレノヴィツェチェコ語版方面、1953年にオトロコヴィツェ方面への全線が開通した[2][3][4]

1950年代後半以降はモータリーゼーションの進展により長期に渡り近代化が停滞する事態となったが、1970年代の石油危機を機にトロリーバスの見直しが進められ、交通機関の基盤と位置付けられるようになった。それを受けて同年代後半以降延伸工事が再開された他、連節バスの導入をはじめとした車両の近代化が精力的に進められた。最新の電化路線は2000年に開通したジズニ・スワーヒー(Jižní Svahy)方面への区間で、以降は系統の再編による整備が進められている他、2019年には充電池を搭載した車両を用いた新設系統の導入および既存区間の非電化区間への延伸が実施されている[2][3][5]

系統

2021年の時点で、ズリーンおよびオトロコヴィツェには以下のトロリーバス路線が存在する[1][7]

系統番号 起点 終点 備考
1 Příluky Otrokovice,žel.st.
2 Bartošova čtvrť Otrokovice,Štěrkoviště
3 Lesní čtvrť Louky,točna
4 Lešná,ZOO Podhoří 5号線とは経由区間が異なる
5 Lešná,ZOO Podhoří 4号線とは経由区間が異なる
6 Jižní Svahy,Kocanda Otrokovice,žel.st.
7 Jižní Svahy,Kocanda Sportovní hala
8 Jižní Svahy,Kocanda Jižní Svahy,Kocanda ラケット式環状系統
9 Jižní Svahy,Středová Jižní Svahy,Středová ラケット式環状系統
10 Jižní Svahy,Středová Malenovice,Centro
11 Lužkovice,Na Gruntech Prštné,náves
12 Želechovice,škola Antonínova Antonínova方面およびŽelechovice,škola方面は経由区間が異なる
Sportovní hala Želechovice,škola
13 Lesní čtvrť Sportovní hala
14 Jižní Svahy,Středová Sportovní hala

車両

2021年現在、ズリーンおよびオトロコヴィツェ市内のトロリーバスでは以下の車両が運行している。同年時点で全車両がノンステップバスとなっており、一部車両は前述のとおり非電化区間への乗り入れ用に充電池を搭載している[3][8][5][9]

また、2022年にズリーン/オトロコヴィツェ交通会社はSORリブハヴィとの間に新型トロリーバス車両のTNS 12を4両導入する契約を交わしている[10]

形式 両数 備考
シュコダ24Tr イリスバス 18両
シュコダ25Tr イリスバス 13両 連節バス
一部車両はディーゼル発電機を搭載
シュコダ26Tr ソラリス 6両
シュコダ27Tr ソラリス 11両 連節バス
シュコダ30Tr SOR 7両 充電池を搭載
シュコダ35Tr 1両 連節バス
充電池を搭載[11]

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b Jízdní řády”. Dopravní společnost Zlín-Otrokovice, s.r.o.. 2021年12月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Historie MHD”. Dopravní společnost Zlín-Otrokovice, s.r.o.. 2021年12月25日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g Trolejbusy ve Zlíně a Otrokovicích”. Společnost pro veřejnou dopravu (2021年6月7日). 2021年12月25日閲覧。
  4. ^ MHD ve Zlíně po válce do 50. let”. Dopravní společnost Zlín-Otrokovice, s.r.o. (2011年11月16日). 2021年12月25日閲覧。
  5. ^ a b Bateriové trolejbusy změní od dubna zásadním způsobem hromadnou dopravu k ZOO Lešná a do Velíkové”. Zlín (2019年3月21日). 2021年12月25日閲覧。
  6. ^ Zájezdová doprava”. Dopravní společnost Zlín-Otrokovice, s.r.o.. 2021年12月25日閲覧。
  7. ^ Mapy a schémata MHD”. Dopravní společnost Zlín-Otrokovice, s.r.o.. 2021年12月25日閲覧。
  8. ^ Do zlínských ulic vyjedou nové trolejbusy”. Zlin.cz (2013年6月4日). 2021年12月25日閲覧。
  9. ^ Vehicle Statistics Zlín, Dopravní Společnost Zlín-Otrokovice”. Urban Electric Transit. 2021年12月25日閲覧。
  10. ^ Libor Hinčica (2022年3月1日). “Zlín se dočká trolejbusů SOR TNS 12”. Československý Dopravák. 2022年3月25日閲覧。
  11. ^ Po Zlíně začal jezdit nový kloubový trolejbus s bateriemi, deset kilometrů ujede mimo troleje”. Zdopravy.cz (2020年3月20日). 2021年12月25日閲覧。
  12. ^ a b c d Historická vozidla”. Dopravní společnost Zlín-Otrokovice, s.r.o.. 2021年12月25日閲覧。

外部リンク

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