「蘇芳 」はこの項目へ転送 されています。色については「蘇芳色 」をご覧ください。
ウィキメディア・コモンズには、
スオウ に関連するカテゴリがあります。
ウィキスピーシーズに
スオウ に関する情報があります。
スオウ
分類 (APG III )
学名
Biancaea sappan (L. ) Tod.
和名
スオウ(蘇芳、蘇方、蘇枋)
英名
sappanwood / sapanwood
スオウ (蘇芳、蘇方、蘇枋)は、マメ科 ジャケツイバラ亜科 の小高木。インド 、マレー諸島 原産でビルマから台湾南部にも分布し、染料植物として利用される。
名称
種小名 sappan 、英名 sappan (wood) は、マレー語 の sapang に由来する。漢名 ・和名 (歴史的仮名遣い ではスハウ、拼音 : sūfāng )も同じ系統の言葉である。
心材 は蘇木 (ソボク、スボク)、蘇方木 (スオウボク)と呼ばれる。
特徴
花 は黄色 、5花弁 、円錐花序 。枝 に棘 がある。成長すると樹高は5メートルほどに達する。
利用
赤く染まった芯材
心材や莢 からは赤色 の染料 ブラジリン が取れ、その色は蘇芳色 と呼ばれる。飛鳥時代から輸入され、公家の衣服の染色に使用された。東南アジアと日本間の朱印船 貿易でも交易品として扱われている。
漢方薬 として駆瘀血、通経、鎮痛、抗炎症薬、産後悪阻、閉経、腹痛、月経不調、癰痛、打撲傷などに用いる。
別種
新大陸 の近縁種にブラジルボク がある。ブラジル の中部と北部、西インド諸島 に産する高木で、同様に色素成分のブラジリンを持つ。1500年 に南米に上陸したポルトガル人はスオウとこの木を同種と考え、スオウのポルトガル名から地名をterra do brazil(ブラジルの国)と名付けた。
また、似た名の種にハナズオウ があるが、こちらは近縁ではない。ハナズオウは春先に咲く花を鑑賞する目的で栽培される花木 であり、染料は採らない。
関連項目
脚注
参考文献
“Phylogenetic Relationships in the Caesalpinioideae (Leguminosae) as Inferred from Chloroplast trnL Intron Sequences”, Systematic Botany 26 (3): 487-514, (2001)
木村康一,木島正夫『薬用植物学各論』廣川書店、1997年(原著1966年)、136-137頁。NDLJP :2529585/84 。
刈米達夫,北村四郎『薬用植物分類学』廣川書店、1965年、137-138頁。NDLJP :2507376/80 。
野間晴雄「王権とその背域--東南アジア港市論と水利都市論の拡がりをめぐって」『歴史地理学』第1巻第41号、古今書院、1999年、44-64頁、NDLJP :7953572/24 。