サンマ科の魚類はすべて海水魚で、世界中の熱帯・温帯域の外洋に幅広く分布する[1]。所属する4種の分布域はそれぞれ異なり、日本近海にも回遊する大型種のサンマ(Cololabis saira)は北太平洋に、同属の小型種である タイヘイヨウミニサンマC. adocetus は太平洋中央部から東部にかけての熱帯域に生息する[1]。一方、Scomberesox 属の大型種 S. saurus (2亜種を含む)は北大西洋ニシサンマ(S. saurus saurus)および南半球の温帯域ハシナガサンマ(S. saurus scombroides)に、ミニサンマ
S. simulans は大西洋とインド洋の熱帯域に分布する[1]。このように、いずれの属も熱帯性の強い小型種と、温帯域に広い分布範囲をもつ大型種に分けられ、両属の進化系統を反映しているとみられている[1]。
本科魚類は外洋の表層で大きな群れを形成し、マグロなど大型回遊魚の重要な餌生物となっている[2]。太平洋のサンマと大西洋の S. saurus は漁業対象種であり、日本を含む世界各地で食用として利用される[2]。卵は粘着性で、流れ藻など海面上の漂流物に産卵する[3]。肉食性で、小型の甲殻類や小魚を主に捕食する[2][3]。