グスタヴォ・メネゼス(Gustavo Menezes, 1994年9月14日 - )はアメリカ合衆国ロサンゼルス出身のレーシングドライバー。スポーツカーレースを中心に活躍しており、現在はスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスのドライバーとしてFIA 世界耐久選手権(WEC)に参戦している。
2016年のFIA 世界耐久選手権 LMP2耐久ドライバーズトロフィーのチャンピオン。
経歴
初期の経歴
2002年にカートレースを始めたメネゼスは、2010年にパシフィックF2000に参加し、四輪レースのキャリアを開始した。翌年にはフンコス・レーシングよりスター・マツダ・チャンピオンシップにステップアップしたほか、ヨーロッパでもレース活動を行い、ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー 2.0にも参戦した。
フォーミュラ3
2013年3月、ヴァン・アメルスフォールト・レーシングはドイツ・フォーミュラ3選手権に参戦するドライバーとしてメネゼスと契約を結んだことを発表した[1]。メネゼスはラウジッツリンクとホッケンハイムで2勝を挙げて、モトパーク勢以外では最高となるランキング4位に着けた。
2014年、メネゼスは同チームに残留しながらも、参戦シリーズをヨーロッパ・フォーミュラ3選手権へと切り替えた[2]。ウェットコンディションとなったスパラウンドでの2回目の予選でトップタイムを記録し、決勝でも連続表彰台を獲得した。また、マカオグランプリにもこの年初出場した。
2015年の参戦に向けてメネゼスはカーリン・モータースポーツに移籍した[3]。しかしながら、シーズンを通じて表彰台を獲得することが出来ず、獲得ポイント数、ランキング順位は共に前年を下回った。フォーミュラ3での最終レースとなったマカオグランプリでは決勝レースの1周目に発生した多重クラッシュの起点となり、リタイアに終わった[4]。
スポーツカー
LMP2(2016-17)
メネゼスは2016年にスポーツカーレースに主戦場を移した。既に2015年末にはシグナテック・アルピーヌのテストに参加し、翌年2月にはニコラ・ラピエールと共に2016年の36号車のドライバーとして発表された[5]。ステファン・リチェルミを加えた36号車のラインナップはシーズンを通して安定した成績を残し、ル・マンでの初優勝を含む4勝を挙げた。その結果、第8戦上海で4位に入ると、最終戦を残してLMP2クラスのタイトルを獲得した[6]。
最終戦の翌日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催されたルーキーテストでは、ピポ・デラーニと共にLMP1マシンでの走行を体験する若手ドライバーとして選出され、メネゼスはポルシェ・919ハイブリッドに乗り込んだ[7]。
2017年シーズンに向け、FIAはメネゼスのドライバーランクをゴールドに昇格させた。チームはエースのラピエールと共にメネゼスを保持しながら、新たなシルバーランクのドライバーとしてマット・ラオを迎え入れた[8]。タイトルを獲得した前年とは打って変わり、バイヨン・レベリオンの31号車とジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車によるタイトル争いに加わることはできなかったものの、COTA6時間レースで1勝を挙げてランキング4位となった。
TVR・レベリオン・レーシング(2018-20)
2018年のシルバーストーン6時間レースにおいてレベリオン・R13をドライブするメネゼス。
TVR・レベリオン・レーシングは2018-19年シーズンに最高峰クラスであるLMP1クラスに2台で復帰するに伴い、2017年12月にメネゼスを含む6名のクルーを公表した[9]。メネゼスはマティアス・ベシェ(シーズン後半にナタナエル・ベルトンと交代)、若手のトーマス・ローランと共に3号車に乗り込んだ[10]。
シーズンを通してLMP1クラス唯一のワークスチームであるトヨタからは大きな差を付けられたものの、プライベーター勢では最も安定した成績を残し、トヨタの2台がレース後車検で失格となったシルバーストーン6時間レースでは初のWEC総合優勝を果たした。この勝利はレベリオンの初の総合優勝であると共に、2012年のシリーズ開始以来、初の非ワークスチームの総合優勝でもあった[11]。
2019-20年シーズンに向けて、レベリオンは選手権に全戦参戦する車両を1台へと縮小した(シルバーストンとル・マンでは2台目である3号車も出走)。メネゼスは1号車のクルーであったブルーノ・セナと共にチームに残留し、新たに起用されたノーマン・ナトーとトリオを組んだ[12]。
レベリオンはLMP1クラスのEoTに加え、この年新たに導入された「サクセス・ハンディキャップ」の恩恵を受け、トヨタの2台と互角のレースを展開した。この結果、第3戦上海から第6戦スパまで4戦連続でポールポジションを獲得し、上海とオースティンの2戦で優勝を果たした。サクセス・ハンディキャップが採用されなかったル・マン24時間レースでもメネゼスのアタックでトヨタの2台に割り込む予選2番手を獲得する速さを見せた[13]。最終戦まで数字上はタイトル獲得の権利を残していたものの、チームはバーレーン8時間レースに参戦せずにシーズンを終えることを選択し、2年連続のランキング3位となった[14]。
スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(2021)
2021年のル・マン・ハイパーカー規定導入に合わせてWECへの参戦を始めるスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスは、そのドライバーラインナップとして708号車のメネゼス、709号車のライアン・ブリスコーを最初に発表した[15]。グリッケンハウスはテストプログラムと製造の遅れのために開幕戦を欠場し、第2戦ポルティマオも1台体制を取ることとした。ただし出走するのはブリスコーが所属する709号車のため、メネゼスの初レースは第3戦モンツァとなる[16]。
モンツァ6時間レースでは708号車のハンドルを握ったが、第4戦のル・マン24時間ではフランク・マイルーが709号車の担当から708号車に移り、メネゼスはグリッケンハウスのラインナップから外れることとなった[17]。
プジョー(2022-)
2021年2月、プジョーは2022年からル・マン・ハイパーカーに参戦する6人のドライバーの1人にメネゼスを起用したことを発表した[18]。
レース戦績
スター・マツダ・チャンピオンシップ
(key)
フォーミュラ
ドイツ・フォーミュラ3選手権
ヨーロッパ・フォーミュラ3選手権
スポーツカー
FIA 世界耐久選手権
ル・マン24時間レース
デイトナ24時間レース
脚注
外部リンク