クオカード(QUOカード)とは、住友商事グループの株式会社ティーガイアの子会社である株式会社クオカードが発行する、汎用型のプリペイドカード。
「QUOカード」の「QUO」は「〜するところ」を意味するラテン語に由来する[2]。略称は「クオカ」。
概要
カードのサイズは縦85mm×横57.5mm[3]で、日本のサイバネ規格の磁気カードと同じサイズである。
コンビニエンスストア、飲食店、ガソリンスタンド、ドラッグストア、書店などで使用することが可能である。表面に意匠を凝らした印刷を行うことも可能であるため、自治体別毎のご当地デザインの他[4]、懸賞の賞品・記念品、株主優待などにも広く利用されており、電子マネーの普及後でも需要がある。電子マネーとの差別化として、絵柄の付いた作品や自作品も販売しており、キャラクターグッズやコレクターズアイテムとしても人気が高い。
カード発行会社の株式会社クオカードは1987年12月、2年後(1989年)に導入が決定していた消費税によって1円単位での支払いが増えると考え、小銭のやりとりをスムーズに行えるようにするプリペイドカードシステムの構築を目的に日本カードセンター株式会社として設立された[2]。
1989年11月、コンビニエンスストア大手のセブン-イレブン・ジャパンと契約を締結し、プリペイドカード「セブン-イレブンカード」の発行を開始。1995年8月に全国共通カード化し、セブン-イレブン以外のコンビニでも使用可能となったのを機に「QUOカード」へ名称変更した[2]。2003年3月には会社名も株式会社クオカードへ商号変更した。2004年にはCSK(現・SCSK)の完全子会社となった。
2017年、親会社がSCSKから同じ住友商事グループの移動体通信販社・ティーガイアに移動した[5]。
券種
券種 |
販売価格 |
利用可能金額
|
00300円券 |
00330円 |
00300円
|
00500円券 |
00530円 |
00500円
|
00700円券 |
00750円 |
00700円
|
01,000円券 |
01,040円 |
01,000円
|
02,000円券 |
02,000円 |
02,000円
|
03,000円券 |
03,000円 |
03,000円
|
05,000円券 |
05,000円 |
05,070円
|
10,000円券 |
10,000円 |
10,180円
|
5,000円券と10,000円券のプレミアムは、コンビニエンスストア等の加盟店で販売されるカードのみに付与される。初期には3,000円券にもプレミアムが付与されていた。
券面金額(1 - 999円および2,001 - 2,200円)を自由に設定できる「フリーバリューカード」[6]を製作するができるため、570円券・640円券(ビアカード)、非売品の100円券・777円券、雪印乳業が販促用に使用する300円券・450円券・550円券なども存在する。
悪用防止対策
コンビニエンスストアで発行されているクオカードは、仕入れた時点では使用不可の状態で、販売する際にレジにて販売員による有効化の手続きを経て、利用可能となる仕組みをとっている[7]。
過去には、偽装された1万円のカードと2万円のカードが多数発見され、高額カードの販売・発行が中止されたことがある[8]。その影響からか2024年現在、2005年以前に発行された高額券は利用停止になっており、交換手続きを行わなければ利用できない[9]。
店舗限定プリペイドカード
指定された加盟店のみ使用可能なカード。クオカードの仕組みを利用している。
これらはクオカードとは呼ばずに「プリペイドカード」と呼び、磁気上に加盟店を限定する情報が含まれている。
またENEOS、JA-SSのガソリンスタンドで購入可能なプリペイドカード(ENEOSプリカ、JA-SSプリカN(JA-SS専用プリカも存在))は相反するガソリンスタンド(ENEOSプリカを使ってJA-SSで給油することができない、その逆も同様)以外は、他のクオカード加盟店でも利用することができる。
過去にはマツモトキヨシもプリペイドカードを販売していたが、2011年8月限りで廃止した。すでに販売したカードはマツモトキヨシで引き続き利用できる。
QUOカードPay
2019年1月、株式会社クオカードはQR・バーコード決済への参入を発表し[2]、同年3月14日から「QUOカードPay」の発行を開始した[10]。
一般的なQRコード決済サービスと異なり、ギフトとしての利用を前提にしているため[2]、贈られた側はアプリをダウンロードしなくてもブラウザのみで利用できること、会員登録を行わなくても利用できること、銀行口座やクレジットカードでチャージ(入金)できないこと、残高不足の場合に現金等との併用ができること[注釈 1]、有効期限が発行日から最長3年であること、などの特徴が見られる[11]。
50〜10万円まで1円単位で購入することができ、QUOカードPayオンラインストアでの発行手数料は発行金額の6%(税別)である[12]。
QUOカードPayの加盟店舗はQUOカードと異なり、2024年1月時点で例えばファミリーマートはQUOカードの加盟店ではあるがQUOカードPayの加盟店ではない[13]。
企業や自治体に向けた利用可能加盟店・業態を絞って発行できる専用QUOカードPayも発行している[14][15]。
QUOカードPayアプリ
QUOカードPayには、Android、IOSで利用のできるQUOカードPay専用アプリがある。同アプリを利用すると、ブラウザでは行えない贈られた複数のQUOカードPay残高を合算したり、券面を残高を使い切っても閲覧可能になったり、利用履歴を確認することができる[11]。
主な加盟店
詳細は、公式サイト内の「使えるお店」を参照。一部使用できない店舗もある。また、旧「セブン-イレブンカード」もクオカードと同等に下記店舗で使用できる。
コンビニエンスストア
飲食店
ドラッグストア
書店
ガソリンスタンド
その他
脚注
注釈
関連項目
- ユーカード - 同業の日本カードシステムが発行していたプリペイドカード。
- セブン-イレブン・ジャパン - 当初はセブン-イレブン専用プリペイドカードとして開始された。
- クイズ・ドレミファドン! - 2021年1月放送回より優勝チームへの賞品としてクオカード10万円分(1,000円分×100枚をチームメンバーで山分け)が贈られている。
外部リンク